慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点
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Young Researchers' Trip report


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Keystone Symposia : Emerging Topics in Immune System Plasticity

氏名

田宮 大雅
GCOE RA
微生物学免疫学教室

詳細

参加日:2013年1月15日~2013年1月20日

活動レポート

私はGCOE Young Researcher Support Plan援助を受け、2013年1月15日から20日にかけてKeystone Symposia : Emerging Topics in Immune System Plasticityに参加させて頂きました。この伝統あるKeystone Symposiaは1週間毎に変わる生命科学の様々なテーマをもとに各国から研究者が集い、最新の研究内容が発表・討論されます。本シンポジウムのスケジュールは朝8時からお昼までlecture、その後夕方までは自由時間で、夜は20時頃まで口頭とポスターのプレゼンテーションがあるというスケジュールでした。学会が開催されたニューメキシコ州Santa Feは標高2000mを超える高地に位置している都市で、歴史的な街並みや建築物を残し、独特の食文化を持つ観光都市として栄えています。自由時間にはSanta Feの街を観光したり、スキーを楽しんだりすることができました。


Santa FeにあるSt.Francis 大聖堂

さて本題のシンポジウムはというと、やはりレベルが高いというのが第一そして最大の印象でした。免疫学分野において最先端で活躍している著名な先生方によるシンポジウムが行われ、トークが終われば聴衆から質問が飛び交い、その場で活発的な討論が行われていました。国内の学会と違い、国際学会は質問の数が多く、若手の研究者でも臆せずに質問に立っていることが印象的でした。さらに普段から抄読会で扱っているような論文の内容を自分も知っている先生が発表しているということは私にとっては衝撃的でした。特にJohn J. O'SheaやAlexander Y. Rudenskyらは独自の視点から話を展開し、ChIP-Seq.などの最新の手法を用いて自分たちにしかできない仕事をしていました。このような話を聞きながら、私は自分にもこれほどの仕事ができるだろうかと思いつつ、いや今は無理でもこれからやってやると刺激させられました。本シンポジウムに参加した意義は最新の知見が得られるということだけではなく、自らの研究に対するモチベーションを高められることにもあるのではないでしょうか。


John J. O'Shea先生と一緒に

本シンポジウムの中で、私は「Smad2 and Smad3 are redundantly essential for TGF-β-mediated Th9 development」という演題名で口頭およびポスター発表を行いました。海外での研究発表は口頭・ポスターともに今回が初めてでした。シンポジウム3日目にポスター発表を行いました。最初は英語ということもあって、どんな風にやればよいかわからず緊張していましたが、説明しているうちに徐々に場の雰囲気にも慣れていき、質問に来てくれた方ともコミュニケーションが取れるようになりました。様々な研究者と討論することができ、その中には私の研究内容において非常に重要である点を指摘していただいたり、自分では気づかなかった問題を挙げていただいたりともう一度私の研究を違う視点から見つめさせられることになりました。それらのことが本シンポジウムに参加したことの十分な収穫であり、非常に有意義な時間であったと思っています。そしてシンポジウム4日目。しっかり練習して臨んだ口頭発表でしたが、発表自体はできたものの、やはり質疑応答となると質問の意味が理解できなかったり返答がうまくできなかったりと散々でした。とても悔しさが残る発表になってしまいました。この経験を次に生かしていければと思います。本シンポジウムは通常の学会と比較して100人ほどと少し小さい感じがしましたが、その分参加者同士の距離感も非常に近くなり一流の研究者との交流もできたため、自分の研究や知識、考え方をさらに深めることができました。参加者には論文がNatureやCellなどの雑誌に掲載された方もざらにいて、その中で私が発表できたことはやはり刺激になり、大きな経験になりました。この経験を日本に帰国した後も役立てていきたいと思います。


ポスター発表の様子

最後に、このような貴重な機会を与えて頂いたGCOE関係者の方々に深く感謝いたします。誠にありがとうございました。

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