慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点
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Young Researchers' Trip report


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Society for Neuroscience 2012

氏名

河瀬 聡
GCOE PD
生理学教室

詳細

参加日:2012年10月13日~2012年10月18日

活動レポート

2012年度の北米神経科学会(Sfn)は、ニューオーリンズのコンベンションセンターで行われた。今年初めて参加した私は、話で聞いていた通り極めて大きな学会に驚きました。空港から学会参加者への指示が出て輸送バスが頻繁に出ており、荷物引き取り所ではポスターを持った人が多く見かけられました。ホテルと会場間も1日中頻繁に大型輸送バスが運行して参加者を手伝っております。学会終了時間の繁華街は学会関係者らしき人が3人に1人いるのではないかという感じで、街全体がこの学会による経済効果で潤っていそうです。会場は極めて広く、目的の部屋へたどり着くまでに数分歩いて疲れてしまう程ですが、そこら中にコーヒーショップとソファーがあり綺麗に掃除されていて快適です。それでも人数が多いため、そこら中の床に座って休む人や、パソコンをする人、携帯でプログラムの確認をする人が居て、歩行の邪魔にならない床もあまり余っていません。今私も探した床に座ってこのレポートを書いています。日本中のどのコンベンションセンターを考えても、この規模の学会を開くのは不可能であり、物理的に世界を率いる仕組みが存在するアメリカの強さを感じました。

10月のニューオーリンズは温暖で、半袖の人が多数ですが、長袖でないと日本人には会場が寒い。ニューオーリンズといえばジャズで有名ですが、昼休みの時間には会場の前でジャズを演奏して楽しい雰囲気です。一番栄えている繁華街はフレンチクオーターといいますが、ここがジャズのメッカでその演奏を日本に比べてかなり安く堪能できます(一杯飲んで15ドル程度)。食事は特有の料理があり、蠣が有名な他、亀のスープやワニの唐揚げなど珍しいものがあり楽しめました。ここの人は皆陽気で、街はミシシッピ川に沿って比較的のんびりとした時間が流れている雰囲気です。しかしながら、会場では非常に広い分野の神経科学の発表が行われていて、ポスター会場ではどの分野も賑わっています。この無数の演題の中で興味のある内容を探すのは大変ですが、携帯のアプリが良くできており、検索や分野別、日程別に調べられる様になっていて大変有用です。これを用いれば、自分に関する内容や、自分のラボの研究内容に関する新しい知見を得るのはそれ程大変ではありませんでした。

今年初めて参加なので、どれ程か分かりませんが、やはり内容としては幹細胞や先日ノーベル賞を受賞したiPS細胞に関する内容は多くなっているのだと思います。私は神経幹細胞を研究しているため、この分野の研究を良く聞きに行きました。この分野では発生期において神経幹細胞の分化を制御する新たな転写因子、マイクロRMA等が報告されていた他、成体脳においてはこれを維持、または分化させる新たな細胞外シグナルの解析が進んでいたことが印象的でした。また、RNA創薬開発に向けた研究成果も進んでおりました。素顔の海外の研究者と話すことでモチベーションが上がり、またラボの仲間とも良い思い出になったと思います。終わりに近い日の学会の合間を見て、3~4時間程の行程で郊外に野生のワニを見に行くことができ、短い間ですが海外の旅行気分も味わうことができました。

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