慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点
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Young Researchers' Trip report


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33rd Annual San Antonio Breast Cancer Symposium

氏名

高本 やよい
GCOE RA
先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門

詳細

参加日:2012年12月4日~2012年12月8日

活動レポート

第33回San Antonio Breast Cancer Symposium(以下、SABCS)が、2012年12月4日~12月8日の5日間にわたり、テキサス州南部に位置するサンアントニオにて開催され、GCOE Young Researcher Planにて参加させて頂きました。


サンアントニオの街並み

サンアントニオは街の中心部にサンアントニオ川が流れ、その両サイドにはリバー・ウォークというお洒落なレストランやカフェが立ち並ぶ遊歩道が設けられ、「米国のヴェニス」と称されることもある街です。クリスマスシーズンだったこともあり、街全体がクリスマスイルミネーション一色で一段と美しい街並みを楽しむことができました。余談でありますが、サンアントニオと私の故郷である熊本市は姉妹都市であったことから、以前より関心を持っていた都市でした。


学会会場

SABCSは毎年サンアントニオで開催される国際的にも評価が高い乳癌学会であり、世界中より7000人以上ものoncologistが集い、診断・予防・薬物療法・放射線療法・手術・基礎研究をテーマとした幅広い演題の発表が行われます。学会のvisionとthemeはC. Kent Osborneが1.Present latest basic, translational and clinical research 2. Educate clinicians about the biology of breast cancer 4. Improve care of breast cancer patientsとまとめているように、Oral sessionでは大規模臨床試験の最新結果、基礎研究におけるtopic・lecture、translational researchの結果が報告され、臨床から基礎にかけてのreview、最新情報を網羅する非常に面白いプログラム構成となっています。基本的に1つのメインホールで順次発表されるプログラムとなっており、聞きたいsessionが重複したり、移動等で聞き逃したりということがなく、非常に満足度の高い、充実した学会でした。また、Poster sessionは、session timeが2時間と長めの設定で、活発な質疑応答が行われていました。


ポスター発表

私は、乳癌モデルマウスの確立「Development of mouse breast cancer models based on induced cancer stem cells (iCSC)」をテーマとして研究活動に携わっております。今回の学会では主に、近年注目されているoncogeneであるAnaplastic lymphoma kinase (ALK)により誘導された腫瘍の解析、CD44の腫瘍形成における役割に関して、ポスター発表をさせて頂きました。学会に先立ち、共同研究をさせて頂いているMD Anderson Cancer Centerを訪れ、ご指導頂いている上野直人先生、甲斐千晴先生と研究内容に関するmeetingの機会を頂きました。


MD Anderson Cancer Center

一連のdiscussionを通して、「自らの研究がどのような質問に答えているのか?何を明らかにしているのか?」「今後、どのような形で患者への貢献に繋がるのか?」を改めてより明確化し、自らの研究の弱点、今後必要となってくる実験の展望の認識を新たにすることができました。


MD Anderson Cancer Centernにて

今回の演題はAACR Scholar-in-Training Awardにご選出頂きました。研究内容に対し極めて第三者的な評価を頂いたことを光栄に感じるとともに、今後に向けての大きな励みとなりました。

最後になりましたが、本学会を通じて非常に多くの貴重な経験をさせて頂きました。この場をお借りして、ご指導頂きました佐谷秀行教授、大西伸幸先生、甲斐千晴先生に感謝の意を申し上げると同時に、このような大変貴重な機会を与えて下さいましたG-COE『幹細胞医学のための教育研究拠点』研究支援センターの関係者の皆様方に厚く御礼申し上げます。この度は誠に有難うございました。

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