慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点
English

Young Researchers' Trip report


ホーム > Young Researchers' Trip report > 10th International Society for Stem Cell Research 2012

10th International Society for Stem Cell Research 2012

氏名

宮脇 慎吾
GCOE RA
生理学教室

詳細

参加日:2012年6月13日~2012年6月16日

活動レポート

今回、私はInternational Society for Stem Cell Research:ISSCR 2012に参加した。初めての国際学会で、期待と興奮に満ちあふれていた。世界中の幹細胞研究者が一同に集結する大きな学会であり、最新の知見や研究内容を把握するための絶好の機械であった。私が最も興味を持ったsessionはStem cell aging and metabolismの分野であった。幹細胞という言葉からは発生学や再生医療が連想されやすいが、近年では老化と組織幹細胞の関係性が注目を集めている。造血幹細胞を用いた細胞老化と個体老化の関連性についての研究が多く見受けられた。7人目の演者は、以前、私がGCOE世界の幹細胞研究で紹介したDr. Maria Carolina Florianの発表(CDC42 ACTIVITY REGULATES HEMATOPOIETIC STEM CELL)で、一緒にISSCRに参加していた私の研究室の先輩も当日の最もエレガントな発表であったと絶賛していた。

私は、三日目のポスターセッションでの演題登録であった。ポスター会場は企業ブースを囲む形で、非常に多くのポスターが発表されていた。ポスター発表の演題数は1400を超えていたそうである。私は自身の研究対象である長寿で有名なハダカデバネズミにおけるiPS細胞の作成に関しての発表をした。ポスターセッションはブースが分野毎に分かれており、私のブースでは、新たに樹立されたiPS細胞の報告が多数存在した。ハダカデバネズミはその特異な性質と見た目のインパクトから、多くの研究者に興味を抱いて頂き、多くの質問を受けた。写真は当日の質問に対応している現場である。核心をついた質問内容が多数挙げられ、真摯に対応したと思っている。しかし、不安要素は英語でのコミュニケーションであった。相手の質問の内容は理解できるのだが、適切な回答を述べられたか不安であった。日頃から英語での発表を聞くのみでなく、アウトプットをしていく必要性を痛感した。同ブースでは、ゴリラ、チンパンジー、オランウータンの大型霊長類からのiPS細胞を作成した報告が目立っていた。神経系細胞へ分化させて、種特異的な現象を模索している発表であった。

今回のISSCRには天皇、皇后両陛下がレセプションに御参加なされた。世界的にも最も注目を集める研究分野であり、社会的な重要性も非常に高いことの証であると思われた。また、この大きな会場で講演していた岡野栄之教授をはじめとした日本人研究者の割合が非常に多かった様に見受けられた。私も、世界を驚かせられるような研究成果が挙げられる様に日々精進していきたい。

Copyright © Keio University. All rights reserved.