慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点
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Young Researchers' Trip report


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BMAP 2012

氏名

小牧 裕司
大学院生博士課程3年(2010年度 GCOE RA)
生理学

詳細

参加日:2012年8月29日~2012年8月31日

活動レポート

Global COEプログラム "幹細胞医学のための教育研究拠点" のResearch Assistantに就いていた時の仕事内容を、慶應義塾大学 三田キャンパスで行われましたBMAP2012において、ポスター発表にて成果報告を行いました。

三田キャンパスは、慶應義塾を代表する歴史と伝統のある校舎です。中でも赤レンガの慶應義塾図書館・旧館は、重要文化財指定建造物として明治時代より続くアカデミックな雰囲気を漂わせています。この図書館を右手に観ながら小道を進むと、今回の会場である北館へ到着します。

今回の報告内容は、"functional MRI with specific frequency stimulations in allodynia model mice"というテーマです。幹細胞(stem cell)の移植により、機能回復する一方で、過敏性を伴うAllodyniaのような異常な軸索発芽を引き起こすことが知られています(Hofstetter CP, Olspn L, et al. nature neuroscience 2005)。そこで、allodyniaに対する治療評価ツールとして、MRIを用いたマウスの脳機能イメージング技術を開発したことが本職務の内容でした。

世界的に見てもマウスの脳機能イメージングを確立している機関はとても少なく、GCOE RAであった頃に開発したこの技術は、現在も様々なメーカーや研究機関から問い合わせがあり、共同研究という形で広く役立てているところです。

今回のシンポジウムでも、精神・神経科学教室の三村將教授のご講演にて、私の仕事をご紹介いただきました。突然、自分の作ったスライドが紹介され、大変驚きもしましたが、とても嬉しくも思いました。

普段私が参加しているシンポジウムでは、in vitroの基礎医学の研究が多く、組織画像がメインでした。しかし、8月30日(木)に行われたシンポジウムでは、MRI画像のなかったご講演がないほどMRI一色であったと感じました。中でも、ヒトでfunctional MRIを用いた研究がほとんどでした。心と脳の理解、発達、神経疾患を解明するために、高次な認知機能をもつヒトの研究はとても重要であり、需要も沢山あります。しかしながら、ヒトを対象とした研究だけではわからない、より詳細な基礎医学的な知見が今後必ず必要となる時が来ます。そこで、GCOE RAであった頃に開発した、マウスの脳機能イメージング技術を応用できればと感じました。

この機会に、神経科学分野の第一線でご活躍されている先生方のお話を聴講いたしまして、一刻も早く基礎医学から臨床医学へ繋げなくてはと身の引き締まる思いになりました。今後より一層の努力をしていかなければという強い思いで、この3日間のシンポジウムを終えました。

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