慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点
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Young Researchers' Trip report


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浜松ホトニクス 中央研究所 PETセンター

氏名

井上 賢
GCOE RA
脳神経外科/生理学

詳細

参加日:2012年11月13日~2012年11月29日(うち5日間)

活動レポート

浜松ホトニクスのPETセンターにおける共同研究ですが、サポートして頂くのは今回で3回目となりました。このたびようやくデータを揃えることができました。

3回も出張させて頂いている浜松ホトニクスについてまた簡単に紹介させて頂きます。

2002年に小柴昌俊先生がノーベル物理学賞を受賞しましたが、これは浜松ホトニクス製の20インチ光電子増倍管でニュートリノを観測した功績によるものでした。また、2012年7月ヒッグス粒子が話題になりましたが、この検出器も浜松ホトニクス製です。浜松ホトニクスは半導体レーザー、フォトダイオード、光電子増倍管、分析用光源など光関連で高い技術力を持つ会社で、光電子増倍管では世界シェア約90%を占め、ノーベル賞クラスの研究には浜松ホトニクスありきなのです。

このように知る人ぞ知る施設の中で私が実験をさせて頂いているのは、PETセンターで、動物研究用PET装置や小動物用PET装置2基、小動物用CTおよびサイクロトロンも所有しており、共同研究の場として研究施設提供され、多くの共同研究や、創薬研究などが行われております。

私の研究テーマは『霊長類(マーモセット)の脳梗塞モデルの作成とその評価方法の確立』であり、今回の共同実験も前回同様にマーモセットの脳梗塞における亜急性期と慢性期の行動評価とPETによる評価が目的です。今回ようやくデータが集まりました。

今回の3回目の出張報告では、PET以外のことをご紹介させて頂きます。

私の研究で作成する脳梗塞モデルのマーモセットですが、川崎の実中研で手術をして、そこから浜松ホトニクスまで移動させなければならず、元気であることが重要となりました。つまり浜松に長旅に耐え得るマーモセットは、脳梗塞の症状としては軽症なのです。

その軽度な症状を評価するために、写真のような餌取り器を用いることになりました。

症状のない右腕では、ラクラク餌を取るますが、脳梗塞となり少しだけ不自由になってしまった左腕では餌を取るのが難しくなります。

ところが、マーモセットの中には、逆さまになって右腕で餌を取ることで克服してしまう知能の高いマーモセットもいました。

他の評価の方法としては、3台のハイスピードカメラで左腕の不器用さを検出することも行いました。こちらは理工学部との共同実験で、データが集まってきました。


次に、浜松のグルメについてご紹介します。

浜松と聞いて、「うなぎ」を思い浮かべる方が多いかと思いますが、昨夏はうなぎの減少と値段の高騰が話題になりました。養殖ウナギの「原料」になる稚魚のシラスウナギも、親のウナギも近年漁獲量が急減し、ウナギ資源の枯渇はおろか、種の絶滅が懸念されるまでになってきています。そうなると品質の保持が難しくなるのか、一昨年に食べた浜松で食べたほどの感動は味わえませんでした。

浜松でほかに有名なのは浜松餃子です。今回の出張では色々な餃子店を食べ歩きましたが、浜松餃子はかなりお勧めです。行く機会があれば是非召し上がって下さい。

最後になりましたが、恵まれた実験施設への出張をサポートしていただいたGCOE Young Researcher Support Plan制度に深く感謝申し上げます。

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