慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点
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Young Researchers' Trip report


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Key Forum in developmental biology and regenerative medicine
参加報告

氏名

植木 有紗
2010年GCOE RA
先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門 大学院生(博士課程)

活動レポート

この度、私は2011年9月8日から9日に熊本大学で開催されたKey Forumに参加させて頂きました。

このフォーラムでは、世界的に著明なstem cellに関わる研究者の方々の発表を聞く機会に恵まれ、大変有意義かつ勉強になる時間を過ごすことができました。4つのセッションをOrganogenesis, Tissue Stem cells, Development/ Epigenetics, Pluripotent Stem Cells & Regenerative Medicineにわけ、2日間にわたって各分野の専門家の先生方から、最先端の研究発表をして頂きました。とりわけ、最後のセッションに山中伸弥先生が登場された際には、会場の聴講人数も増え、興味の高さを伺わせました。

今回の発表の中では、stem cellを用いた再生医療についても多くの講演を聞くことができましたが、その中でも興味深いと感じたのは消化器分野での発表でした。Hans Clevers氏のラボで研究されたNick Barker氏の研究内容は、以前、幸いにも直接Hans Cleversや佐藤先生の研究発表を聞く機会に恵まれたため内容については既知の部分もありましたが、Lgr5とWnt signalingに関わる発見の重要性、その実験手法の独自性を改めて感じることができました。また、榎本先生のご講演では、enteric neural crest cells(ENCCs)の研究からHirschsprung病モデルマウスの樹立という非常に画期的な研究成果を伺うことができ、感銘を受けました。さらに、今回のForumを通して、DNA methylationをはじめとするepigeneticなfactorについても多くの講演を頂き、epigeneticな制御についての理解を深めることが、今後の研究には必須になってくるであろうことを再認識することができました。

会場自体は大きすぎない規模で、非常にフランクな質問も可能な雰囲気のなかでdiscussionも行われていました。改めて、このような貴重な場に参加させて頂き、最新の研究成果に触れることができ、研究へのさらなるモチベーションを高めるとてもよい機会であったと感じました。

私はポスター発表として自身の研究結果について発表させて頂きました。最初は緊張もあり、ポスター前に立っていてもなかなか良いプレゼンテーションをできる機会がなかったのですが、一度質問を受ける機会があると、その後はとても落ち着いてお話をすることができました。また、各界の著名な先生方を前に、自身の研究内容についてプレゼンテーションを行い、コメントを頂けたことは、今後の研究に直接活かすことのできる大変貴重な経験であったことは間違いありません。自分では気づかないような視点からのご指摘も多数頂くことができ、すぐに実験に移そうと思いました。

フォーラムの間は両日ともほとんど講堂にいたため、初めての熊本でしたが観光はできませんでした。しかしながら、終了後には熊本名物の熊本ラーメンや馬刺し、辛子蓮根などを味わうこともでき、熊本を堪能することができました。最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださり、発表にあたり直接のご指導を賜りました佐谷先生、清水先生をはじめ、幹細胞GCOE関係者の皆様に心から感謝致します。

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