教室・科 / 主任 / 概要

  • 解剖学教室神経発生研究分野
    (仲嶋研究室)
    教授仲嶋 一範Kazunori Nakajima

    私たちは、脳の中でも特に高度な役割を担い、「進化の最高傑作」とも言われる大脳皮質を対象にして、その構造が発生過程で正常に作られるメカニズムと、それが破綻した時の脳機能への影響を研究しています。個々の細胞たちが細胞分裂によって誕生した後に、目的地に向かって移動し、さらに機能的な回路網を作っていくドラマをつぶさに観察し、そのメカニズムを分子・細胞レベルで解明することを目指しています。

  • 解剖学教室血管生物学研究分野
    (久保田研究室)
    教授久保田 義顕Yoshiaki Kubota

    解剖学教室I(久保田研究室)は、われわれのからだがどのように形作られるのかを分子の言葉で理解すべく、特に、血管・リンパ管に焦点をあて、最新のマウス発生工学・分子生物学的技術を駆使し研究を行っております。研究の特徴としては、ともすれば時代遅れと思われがちな形態学的観察に重心を置き、常に「わかりやすく面白い研究」を心掛けております。

  • 生理学教室神経生理グループ
    (柚﨑研究室)
    教授柚﨑 通介Michisuke Yuzaki

    生理学は、生体の機能とその動作原理を明らかにすることにより、より健康な体づくりや病気の理解・治療・予防に貢献する学問です。当教室は生理学1分野(感覚系、筋肉系、脳神経系など興奮性細胞の機能)を担当し、生体現象の統合的理解と科学的探求方法の習得を目指して生理学教育を行っています。また、神経活動や環境の変化が、どのようにして記憶・学習を引き起こし神経回路の機能を変化させるのか、という根源的な仕組みの解明を目指して日夜研究を進めています。

  • 生理学教室神経科学グループ
    (岡野研究室)
    教授岡野 栄之Hideyuki Okano

    生理学教室神経科学グループは、生体の恒常性維持に関わる生理機能について概説するとともに、最前線の研究を紹介し、包括的な理解を導く医学部教育を行っています。当教室は基礎研究者と臨床研究者が連携して幹細胞研究を推し進めています。特に、疾患iPS細胞を用いた病態解明研究、創薬研究は神経変性疾患の治療を目指しており、また、iPS細胞から分化誘導した神経幹細胞を用いて脊髄損傷治療研究を展開しています。新世界ザルの一種であるコモンマーモセットを霊長類モデルとして使用した脳科学研究も行っており、国内外から注目されています。

  • 教授安井 正人Masato Yasui

    慶應義塾大学医学部薬理学教室は、初代の阿部勝馬教授以来、常に日本の薬理学をリードしてきた伝統のある教室です。現在、薬物の標的として重要な膜受容体、チャネル、トランスポーターの構造・機能解析を中心に進めています。分子動力学計算や非線形光学系によるライブイメージング等、新しい手法も積極的に取り入れながら研究しています。臨床教室とも連携しながら、より優れた薬物治療の開発を目指していきたいと考えています。

  • 教授佐藤 俊朗Toshiro Sato

    医化学は、生命現象の本質を原子・分子レベルで理解し、病態の原因解明やヒトの健康を支える革新技術の創出を図ります。当教室では、生体組織をモデル化できるオルガノイド技術を駆使し、正常組織から疾患組織への変化を司る、エネルギー代謝、組織構造化、エピゲノム情報変化を解析しております。特に、幹細胞制御、がんや代謝性疾患などに焦点をあて、技術開発と新しい理解の創出に取り組んでおります。

  • 教授塩見 春彦Haruhiko Siomi

    当研究室では、1)小分子RNAによる遺伝子発現制御機構(RNAi/RNA silencing)、2)転移因子(トランスポゾン)の活性制御機構、そして、3)エピゲノム形成機構の基礎研究をとおして、生殖細胞の形成、維持、分化の仕組みを理解することを目指しています。

  • 衛生学公衆衛生学教室

    衛生学公衆衛生学の役割は、社会の組織的な取り組みを通じてあらゆる人々の疾病の予防や身体的・精神的健康の増進を図ることにあります。当教室は『公衆衛生分野における実証と実践の両立』を設立以来のキーワードに、環境医学・産業医学と疫学・予防医学分野を研究の軸としています。また、教育・人材育成による医学の発展への寄与や、研究成果を通じて社会とコミュニケーションを図り健康社会を実現する公衆衛生活動も積極的に展開しています。

    教授武林 亨Toru Takebayashi
    教授岡村 智教Tomonori Okamura
  • 教授長谷川 直樹Naoki Hasegawa

    感染症学は、熱帯病・寄生虫感染症、細菌・ウイルス感染症と幅広い分野を対象とし、基礎研究を通してこれらの感染症の診断と感染制御など、臨床医学にも関連する学際的な領域です。当教室では、少子高齢化、社会活動のグローバル化、地球温暖化等により多様化している感染症に対し、基礎系・臨床系の各教室や感染制御部と密に連携して、「基礎・臨床一体型」の教室を目指しています。

  • 病理学教室金井研究室
    教授金井 弥栄Yae Kanai

    ヒト組織検体のエピゲノム解析を基盤とした、疾患、特にがんの発生進展に係る分子機構の研究を行っています。病理診断医が臨床各科と連携して蒐集した、詳細な臨床病理学的情報の紐付いた質の高い組織検体を解析し、バイオインフォマティクス手法を用いて、疾患の層別化や分子診断マーカー開発を目指します。学内外の研究組織と連携した多層オミックス統合解析や、国際的な標準ヒトエピゲノムデータベース事業、バイオバンク構築も実施しています。

  • 微生物学・免疫学教室吉村研究室
    教授吉村 昭彦Akihiko Yoshimura

    当研究室では分子、細胞レベルで免疫応答を理解し、これを制御することでアレルギーや自己免疫疾患などの免疫疾患の治療法を開発することを目指しています。また癌や神経変性など、これまで免疫との関わりがそれほど明確でなかった疾患や生理的な現象にどのように免疫応答が関与しているかについても解明を進めています。このために多くの遺伝子改変マウスを作成し、様々な病態モデルを駆使して実験を行っています。『分子の言葉で疾患を理解する』を研究室のテーゼとして標榜しています。

  • 微生物学・免疫学教室本田研究室
    教授本田 賢也Kenya Honda

    腸内細菌は免疫機能や代謝といった宿主のさまざまな生理機能を調節しています。私たちは、マウスやショウジョウバエ等のモデル生物を用いて、宿主の生理機能、特に免疫系に影響を与える腸内細菌の同定を目指しており、そのため、動物をいったん無菌化した後に、ある特定の腸内細菌種だけが生着した動物を作製し解析を進めています。これまでに、特定の免疫細胞を誘導する腸内細菌種を同定し、臨床応用に向けた取り組みも開始しています。

  • 法医学教室
    教授藤田 眞幸Masaki Q. Fujita

    法医学の役割は、事件や事故の真相を解明し、犯罪の制圧、法的紛争の解決や事故の再発防止に取り組むほか、死因が判然としない突然死などの病態を解明することによって、安全・安心な社会の構築に貢献することにあります。当教室は、1921年に開設された、長い歴史を有する法医学教室です。現在は、青壮年の突然死の研究や法医診断における、より客観的で説得性の高い診断法の開発の研究を進め、また、若手の人材の育成に取り組んでいます。

  • 医療政策・管理学教室
    教授宮田 裕章Hiroaki Miyata

    医療においては公益性を考慮し、患者・国民に良質の医療・サービスを持続的に提供することが重要です。その上で実現すべき価値を明確にしつつ、制度やシステム、実践を設計・管理する必要があります。一方で医療は医療提供者、行政、保険者、企業、患者など様々な役割の関係の中で考えられるべきものです。医療政策・管理学においては俯瞰的立場から政策提言や方法論の構築を行うとともに、関係者との連携の中で実践研究を行っています。

  • 生物統計学教室
    教授佐藤 泰憲Yasunori Sato

    生物統計学は、医療・健康科学分野を対象とした応用統計学であり、これらの領域で生じる統計学的問題に回答を与えるための学問です。当教室は、臨床研究や疫学研究などの計画から報告までのプロセスで生じる統計学的課題に対処し、新たな統計手法を開発するとともに、臨床研究に統計手法を応用する実践研究を行っています。また、教育・人材育成による医学の発展への寄与や、研究成果を通じて社会とコミュニケーションを図り、より効果的な医療・健康科学の発展に貢献していくことを目指しています。

  • 石井・石橋記念拡張知能医学講座
    教授桜田 一洋Kazuhiro Sakurada

    本講座は、医学部・医学研究科および理工学部・理工学研究科が共同して運営する医工連携講座です。先端的なメディカル・データサイエンスの研究と教育をとおして未来の新たな医療を支える技術そして人財を創出したいと考えています。

  • 先端医科学研究所脳科学研究部門
    教授田中 謙二Kenji Tanaka

    脳科学研究部門では、脳の機能を知ること、脳の機能障害を改善させる方法を知ることに取り組みます。脳の機能を知るために、分子・ニューロン・回路の多階層を扱い、これらを統合して理解する方法をとります。また、脳を神経・グリア・脈管の総体とみなして、脳と多臓器の連関にも注目します。脳機能の破綻である精神疾患の新規治療法を開発するとともに、その社会実装の是非についても考えていきます。

  • 先端医科学研究所がん免疫研究部門
    教授籠谷 勇紀Yuki Kagoya

    がんに対する免疫細胞の応答を分子レベルで理解するとともに、その仕組みを治療に応用するがん免疫療法の研究を行っております。特に、がん細胞を認識・攻撃できる免疫細胞を改変して薬として用いる、CAR-T細胞療法などの免疫細胞療法や、人工的に作製したナノ粒子などを活用した新しい医薬品開発に取り組みます。また、同じく免疫系が深く関わる慢性炎症性疾患においてもこうした治療技術が応用できると考え、研究開発を推進します。