学部の基本思想

1基礎と臨床一体の
医学・医療をめざす

基礎臨床一体型医学・医療の実現
フィジシャン・サイエンティスト

1917年、慶應義塾大学医学部は世界的な細菌学者として知られる北里柴三郎博士を初代学部長として発足しました。博士は若い頃から民衆のための医学を志し、かつて受けた福澤諭吉の恩顧に報いるため医学部創設に尽力しました。以来長い歴史を刻んできた医学部は、「基礎臨床一体型医学・医療の実現」を理想に掲げ、“フィジシャン・サイエンティスト”の育成に取り組んでいます。それは、研究能力を備えた医師であり、同時に豊かな人間性と深い知性を有し、確固たる倫理観に基づく総合的判断力を持ち、生涯にわたって研鑽を続け、医学・医療を通して人類の福祉に貢献する人材の育成です。 それはまさに福澤諭吉の提唱する“実学”の実現に他なりません。

総合大学ならではの多角的教育・研究

2医学・医療の可能性を
どこまで広げられるか

慶應義塾大学医学部は、総合大学という強みを生かし、広い視野の上に成り立つ医学教育を実施しています。医療系三学部(医学部、看護医療学部、薬学部)で合同教育をおこない、学生のうちから交流を深め、将来、患者さん中心のグループアプローチによる医療が実践できる医療人に成長することをサポートしています。

研究面においても、医療系三学部連携による高度な医療研究、理工学部との医工連携では医学ロボットの開発などの共同研究が進み、さらに経済学部、文学部から健康マネジメント研究科、 政策・メディア研究科など様々な学部、研究科で協同して、現代の医療・医学に関する諸問題を多角的に解決しています。

独自の医学・医療ネットワーク

3圧倒的な
メディカルネットワーク

100年近くの歴史を持つ慶應義塾大学医学部には、圧倒的な医学・医療に関するネットワークが存在します。先進的医療の現場としての慶應義塾大学病院に加え、これまで綿々と築き上げてきたOBの方々(三四会)の存在と約100もの関連病院、35の教育中核病院が存在します。医学部の教育は、これらの病院施設の協力を得て、先進医療から地域のプライマリケアまで学ぶことが出来ます。卒業後には、関連病院と大学病院を行き来しながら実践的技術を習得します。また、研究分野においても最先端の学内研究機関に加え国内外の研究機関、大学との連携を実現しています。世界レベルの研究者へ、医師としての確実な未来、その条件が慶應義塾大学医学部にはすべて揃っていると言っても過言ではありません。

多彩なキャリアパス

4未来へと続く
医学の道の選択が可能

慶應医学教育では、研究マインドをもった医師(フィジシャン・サイエンティスト)の育成に力を入れています。6年間の医学教育により、良医を育成することはもちろん、常に探究心を持ち、学問をし続けられる医師を育成しています。学生時代より、MD-PhDコースに在籍し、本格的な研究をスタートし、卒業後そのまま大学院に入り3年間で博士号を取得することも可能です。一方、臨床医として活動する中で、研究に目覚め、大学院博士課程に入学し、自分のリサーチクエスチョンを解明していく卒業生も多くいます。

慶應義塾大学医学部には、世界に誇る研究者達が活躍しており、医学部以外の学部卒業生が入学する大学院修士課程も設置しており、多才な人材が集まってきています。また、大学院博士課程には、他大学からたくさんの大学院生を受け入れており、彼らと切磋琢磨することで、慶應医学を盛り上げています。大学院教育においては、国立がん研究センター、国立国際医療研究センターなどとも連携を結び、学位習得を可能としています。

医療や研究はもちろん、行政や社会活動の中でキラリと光る人材を輩出しているのも慶應義塾大学医学部の大きな強みです。

グローバルな教育への取り組み

5世界を見据えた
医療教育・研究

これまで、慶應義塾では、数多くの国際的に活躍する人材を輩出してきました。医学・医療の世界は加速度的に進化し、国際化しています。国際的に通用する医学・医療の人材を育てることは、慶應義塾大学医学部の大きな役割と考え、積極的に海外留学や国際交流に取り組んでいます。5学年の短期海外留学プログラム(選択制)では学年の1/4にあたる学生が海外の病院での臨床実習を行っています。それ以外にも、海外の研究機関への研究留学、英国でのサマースクール、医療系三学部合同教育によるラオス保健医療研修など幅広い国際交流をおこなっています。また、学生達の課外活動による国際交流も盛んです。

大学院博士課程では、ハーバード大学、北京大学、キングスカレッジ・ロンドンなど多くの海外医系大学との交流を活発に行い、国際的な研究者の育成に力を入れています。これらのグローバル志向の結果がNatureなど権威ある海外研究誌への数多くの論文発表へと繋がっています。

More独自の新・奨学金システム

慶應義塾大学医学部
人材育成特別事業奨学金

医学部の一般入学試験成績上位者10名程度

  • 年間200万円
  • 4年継続
  • 総額800万円

慶應義塾大学では医学界のリーダーを育成する国内先端の学塾を目指しています。この理想を実現し、日本国内のすべての優秀な学生に就学のチャンスを与えるべく、医学部独自の“合格時保証奨学金制度(慶應義塾大学医学部人材育成特別奨学金)”を創設しました。これは一般入試成績上位10名程度に4学年までの毎年度、継続的に200万円、計800万円を給付するという大型の奨学金制度です。この他にも医学部では研究医養成プログラム<MD-PhDコース>の学生に5、6学年に年間100万円の奨学金を給付するなど、数多くの医学部独自の奨学金制度を導入しています。慶應義塾大学の奨学金制度、その他奨学金制度などを組み合わせることで、医学・医療の未来を切り開かんとする若い才能への門戸は、より大きく開かれています。

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