2020年12月20日、慶應義塾大学医学部主催による第5回健康医療ベンチャー大賞の決勝大会が開催されました。
今回、5回目を迎える本コンテストには過去最高の125チームからの応募がありました。本コンテストが学内外へ徐々に認知され、慶應義塾大学内だけにとどまらず学外からも多数応募がありました。当日の決勝大会は、新型コロナウイルスの影響によりオンラインで開催されましたが、オンラインにもかかわらず各チームの熱量が存分に感じられるコンテストとなりました。
125チームの中から一次審査、二次審査を経て決勝に選出された7チームは、医療ビジネスの専門家からアドバイスを受け、それぞれのビジネスプランを入念にブラッシュアップして決勝大会に臨みました。
学生部門での優勝およびオーディエンス賞を勝ち取ったのは、癌性疼痛を抱えている患者さんの悩みをウェアラブルデバイスと連動した医療機器アプリで解決しようとするチーム「X-pain」です。
社会人部門で優勝を勝ち取ったのは、宇宙空間でも使用可能な超小型吸入麻酔器を開発した「STONY」でした。また、オーディエンス賞を受賞したのは、インターネットやチャットボットを活用してうつ病患者さんに対する認知行動療法を提供するサービスを開発中の「株式会社かいじゅうカンパニー」でした。
また、協賛の三井不動産株式会社による企業賞には、学生部門から優勝およびオーディエンス賞を受賞した「X-pain」が選ばれ、あずさ監査法人による企業賞には、学生部門からバイタルデータ取得計測スマートウォッチ『LANCE BAND』を開発しているチーム「GoMA」が選ばれました。ソニー株式会社による企業賞には、社会人部門から専門医の偏在問題の解決を目指した、病院向けの専門医シェアリングサービス『E-コンサル』を開発している「株式会社Medii」が選ばれました。
学生部門のチーム「obgynista」は、自宅にいる患者さんがアプリで女性婦人科医に診察の依頼をすることで、医師がそれを受けて訪問診療を行うというビジネスプランです。
社会人部門の「bitBiome」は、微生物を対象としたシングルセルゲノム解析プラットフォーム『bit-MAP』を提供しています。
また、株式会社三菱総合研究所 理事長の小宮山宏様より『コロナで加速する社会の変化~立ちすくむ日本をベンチャーが動かす~』と題してご講演をいただき、株式会社ビジョンケア 代表取締役の髙橋政代様、株式会社メドレー 代表取締役医師の豊田剛一郎様からは『医師の企業のタイミング』と題したシンポジウムにご参加いただきました。
今回の決勝大会の審査員からは、全日程完全オンラインでの実施にも関わらず、実用化に向けた完成度の高い発表が多くなされたことが評価されました。
今後、慶應義塾大学医学部および慶應義塾大学病院は、入賞した各チームと連携し、社会実装に向けたサポートを進めていきます。