COVID-19による日本人の死亡率は欧米諸国に比べて顕著に低いですが、一部の患者は急激に重篤化します。そこで、本邦の遺伝子背景の中でCOVID-19の重症化に関わる遺伝的要因を特定するための緊急プロジェクト「コロナ制圧タスクフォース」が立ち上がりました。多分野から科学者が集結し、学内からは研究統括を担う金井隆典教授(内科学(消化器))、北川雄光教授(外科学(一般・消化器))、福永興壱教授(内科学(呼吸器))、佐藤俊朗教授(坂口光洋記念講座(オルガノイド医学))、長谷川直樹教授(感染症学)が名を連ねています。今後、国内のCOVID-19患者500-600例の血液検体を用いて、高解像度HLA解析、SNPアレイ解析、全ゲノムシーケンス解析、T細胞レパトア解析などの包括的な解析を行い、重症者と軽症者又は無症状感染者の結果を比較し重症化因子を解明します。将来、独自の分子ニードル技術(北里大学で開発)を応用した鼻腔スプレー型粘膜ワクチンの開発につなげたい考えです。(5月21日にプレスリリースされました)
<プレスリリース>
共同研究グループ「コロナ制圧タスクフォース」発足-新型コロナウイルス感染症の遺伝学的知見に基づいたCOVID-19粘膜免疫ワクチンの研究開発を促進-
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2020/5/21/28-69892/