白衣式は、プロフェッショナリズムを意識させるものとして1988年米国コロンビア大学で始められましたが、またたく間に全米に広まり、さらに世界中で行われるようになりました。 慶應義塾大学医学部では、2006年に白衣式の創始者であるアーノルド・P・ゴールド夫妻をゲストに迎え、第一回目の白衣式を行いました。

近年の医学の進歩は目覚しいものがあり、それにつれて医学生が習得しなくてはならない知識も膨大になっています。その一方で軽視されがちになってしまうのが医師のプロフェッショナリズムです。 プロフェッショナリズムとは、生涯学習を継続するモチベーション、ヒューマニズム、倫理観、利他主義、チーム医療などすべてが含まれる概念であり、医師になる上で欠かせません。このプロフェッショナリズムを、臨床実習が始まる直前に意識してもらうのが白衣式の意義です。

これまでにお世話になった御両親・友人の前で、教員の先生方から白衣を直接着せてもらう場面は感動的なものです。この感動があるからこそ医学部入学の目的である「医師になること」を再認識できるのです。 また、白衣式ではどのような医師になりたいかを学年でまとめ、宣言します。それを通して患者さんに対して持つべき慈愛の心を深く意識し、職業人としての責任を心に刻むことができるのです。