MD-PhDコースで
臨床と基礎研究の一体を目指す

医学部6年生(2015年当時) 鎌田亜紀さん

慶應義塾大学医学部を選んだ理由は

Q:なぜ慶應義塾大学医学部へ進学されたのでしょうか?

もともと入学する前から臨床医学を中心にやりたいという考えがありました。私は東京都内の私立高校出身なのですが、その高校時代の先輩や通っていた塾で進路の相談をした際に、臨床に興味があるのであれば慶應義塾大学医学部が良いという助言をいただき、入学を決めました。その当時は、MD-PhDコース(研究医養成プログラム)の事まではそれほど頭になく、また医師という職業でそこまで科学的な研究がされていることもあまり知らなかったので、ただ漠然と医者という職業に就きたいと考えていました。

Q:実際に入学してみて、いかがでしたか?

臨床がしたいと相談して勧められた大学でしたので、患者さんに近い医療だけをしていると思っていました。臨床実習(病院内での実習)などでは患者さんとの接し方など色々と教えてくださり、実際に臨床に強いということは分かりましたが、それ以上に、基礎研究が盛んだったことは意外でした。研究室も充実しています。また、私の場合は、同じ高校出身の同級生が4人いて、その中の2人がMD-PhDコースを共にしています。すごく困った時に相談もできるので心強いです。

MD-PhDコース(研究医養成プログラム)とは

Q:MD-PhDコースを進んだきっかけを教えてください

高校時代に生物部に所属していて、その当時から研究自体に興味があったことが大きなきっかけです。その後、何かしらの研究室に行きたいと考えていた2年生の時の授業で、MD-PhDコースでは色々な研究室をローテーションできて、さらに担当の教員に相談できるという魅力的な内容でしたので、研究の分野が分からない状態ではありましたが、進学を希望しました。

Q:MD-PhDコースとは、どのような内容ですか?

MD-PhDコースは、医学部6年に加え、大学院医学研究科博士課程3年という合計9年間の研究医養成プログラムです。医学部3年の時から、学部の講義・実習に加え、大学院医学研究科博士課程を受講し、さらに研究室に配属され研究を行います。つまり、医学部生のうちから、大学院の特別講義を受けることができるのです。その後、医学部卒業と同時に大学院に入学し、3年間で学位を取得するというものです。学生にはそれぞれ2名のメンター(教員)がつき、定期的に研究成果をチェックしていただいたり、研究室の選択やテーマなどについて相談ができます。

Q:実際に進学されてみて、いかがですか?

最初は本当に目新しいことばかりですごく楽しかったです。でも、途中から勉強も忙しくなってきて、講義・実習と研究の両立が大変だなと思う時期もありました。その時は、1ヶ月に1度メンターをお願いしている佐谷秀行教授に相談をして、何とか乗り切りました。今ではだいぶ慣れてきて、両立できていると感じています。
3年生から始まるローテーションでは、約3カ所の各研究室を3ヶ月単位の期間でまわることができ、4年生の終わりまでに大学院で研究したい研究室を選ぶことができます。そのあとはずっとそこに所属をして、何かテーマをもらい研究をします。

医学部生の日常生活とは

Q:今の日常のことを教えてください

研究の進み具合によるのですが、基本的に平日は学校に夜20〜21時頃まで残っています。あとは運動不足にならないように、週に2回ほど水泳に行くようにしています。余った時間は、友達と食事に行ったりしています。

Q:忙しいなか、学生生活を楽しむ時間はありますか?

そうですね、医学部の通常授業を受け、さらにMD-PhDのコースの授業を受けて、研究も進めるということで、これらを両立させていくことは大変です。たしかに低学年の時より飲み会に参加する頻度は少なくなりました(笑)。でも、ある程度個人の自由を尊重してくださるところがあるので大丈夫です。例えば、夏休みに1週間旅行に行くなど、遊びたいと思ったときには、思いっきり遊ぶことも心がけています。

これからの自分

Q:所属されている教室について教えてください

今は皮膚科学教室の皮膚免疫の教室に所属しています。天谷雅行教授が基礎研究を積極的にされていたことも大きくて、憧れの先生だったこともあり、皮膚科の研究室をまずローテーションさせて頂きました。教室の選択にはとても迷い、メンターに何度も相談しました。将来的に臨床の医師もやりたいと思っていたので、皮膚科の医師には基礎研究もやりながら臨床も形にしていらっしゃる方が多く、臨床をしながらでも研究をある程度自由にやらせてくれる環境がきっとあるだろうと思い、将来像がもちやすかったです。また、分野的にも免疫に一番興味があったので、皮膚免疫の研究を選びました。これからはしばらく研究に没頭して、その間に臨床の経験も積みたいと思っています。今の教室の山上淳講師は、臨床をかなり活発にされていますし、研究についても色々ご指導してくださるので、目標になっています。

受験を考えているみなさんへ

Q:これから医学部を目指す方々へメッセージをお願いします

実際に自分が臨床実習(病院内での実習)に出るようになって感じたことですが、慶應義塾大学医学部には親切で熱心に指導してくださる教員の方々がたくさんいらっしゃいますので、将来、臨床に出て仕事をしたいと思っている方、基礎研究に力を入れたい方、いずれも環境が整っていると思います。また、MD-PhDコースを選択した時から思っていたことですが、研究室の選択や、体育会の活動など、自分の興味が向くことを積極的にやっている方々が同じ学年でも多くいて、個人の自由を尊重してくれる大学側の姿勢を強く感じます。

他の大学と比較したわけではないので個人的な意見になってしまいますが、臨床をやりたいと高校生の時に思い描いて、慶應義塾大学を勧められて入ったら、本当にその通りだったと実感しています。さらには、基礎研究の面白さも知ることができました。今の学校生活は充実していて、慶應義塾大学医学部に入学してあらためて良かったと感じています。

今後、医学部6年を終えたら大学院に入るのと同時に、制度を使って、2年間初期臨床研修をします。博士号をめざしながら医師としても研修を行います。夢を実現できるように頑張りたいと思います。

デイリーライフ

普段研究を行っている皮膚科学教室の先生方と

5、6年生の臨床実習(病院内での実習)班のメンバーと

5年生の時に海外短期留学【臨床】でロンドンのキングスカレッジへ

臨床実習(病院内での実習)班のメンバーは切磋琢磨できる仲間です

ある1日のスケジュール(信濃町キャンパス)

グラフ

※所属・学年は取材時のものです。