J Clin Invest.
2023 Mar 16;e162309. doi: 10.1172/JCI162309.
Tsunehisa Yamamoto, Santosh K Maurya, Elizabeth Pruzinsky, Kirill Batmanov, Yang Xiao, Sarah M Sulon, Tomoya Sakamoto, Yang Wang, Ling Lai, Kendra S McDaid, Swapnil V Shewale, Teresa C Leone, Timothy R Koves, Deborah M Muoio, Pieterjan Dierickx, Mitchell A Lazar, E Douglas Lewandowski, Daniel P Kelly
心不全とは心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態のことであり、日本における死因の第2位である心疾患の中でも最も多くを占めます。心不全では核内受容体のPPARやERR、さらにco-activatorのPGC-1αなどの脂肪酸代謝/ミトコンドリア機能制御に重要な因子群の機能が損なわれており、心臓のポンプ機能低下の一因となっていることが知られております。本研究で筆者らはPPAR/ERRの心臓における内因性制御因子としてco-repressorのReceptor Interacting Protein 140 (RIP140)に注目しました。RIP140欠損心臓ではPPAR/ERRを介する 脂肪酸代謝 やミトコンドリア機能が向上し、また、mTORCによる生理的な心筋収縮蛋白の機能も回復させることによって、圧負荷による誘発される病的な左室リモデリング、心不全に対して抵抗性を示すことを見出しました。本研究成果によりRIP140の機能を修飾する低分子化合物スクリーニングなどが心不全に対する新たな治療法の創出へとつながることが期待されます。
(循環器内科 山本恒久 88回)
Cancer Research.
2023;83(1):20-27.
Namba S, Saito Y, Kogure Y, Masuda T, Bondy ML, Gharahkhani P, Gockel I, Heider D, Hillmer A, Jankowski J, MacGregor S, Maj C, Melin B, Ostrom QT, Palles C, Schumacher J, Tomlinson I, Whiteman DC, Okada Y, Kataoka K.
がんの発症には、様々な環境因子に加えて、遺伝因子が重要です。近年、ゲノムワイド関連解析によって、多くの人が持つSNPのうち数百〜数千個が、がんの発症に影響を与えることが分かってきました。これらのSNPは個々のがん発症リスクは低いものの、数百~数千個あるため、ゲノム全体でまとめて考えた場合のがん発症リスクは大きいことが知られています。そのため、これらのSNPをまとめて評価することにより、各個人の「遺伝的がんリスク体質」(がんになりやすい遺伝的な体質)を評価できると考えられます。私達は、約3,000人のがん患者さんに対して、遺伝的がんリスク体質を反映する指標であるポリジェニック・リスク・スコアを計算する事で、遺伝的がんリスクががんの特性に与える影響を網羅的に評価しました。その結果、様々ながん種において、遺伝的がんリスク体質の人は若い年齢でがんを発症しやすく、体細胞変異やコピー数異常の蓄積が多くなる前にがんを発症していることが明らかになりました。
(内科学(消化器) 斎藤 優樹 94回)
Cell Host and Microbe,
31(2), 243-259.e6.
Barnett, K. C., Xie, Y., Asakura, T., Song, D., Liang, K., Taft-Benz, S. A., Guo, H., Yang, S., Okuda, K., Gilmore, R. C., Loome, J. F., Oguin Iii, T. H., Sempowski, G. D., Randell, S. H., Heise, M. T., Lei, Y. L., Boucher, R. C., & Ting, J. P-Y.
Momota, Y., Liang, K., Horigome, T., Kitazawa, M., Eguchi, Y., Takamiya, A., Goto, A., Mimura, M., Kishimoto, T.
Psychiatry Clin. Neurosci. 2023.
Kawakami T, Matsubara H, Shinke T, Abe K, Kohsaka S, Hosokawa K, Taniguchi Y, Shimokawahara H, Yamada Y, Kataoka M, Ogawa A, Murata M, Jinzaki M, Hirata K, Tsutsui H, Sato Y, Fukuda K.