1: Chromatin remodeler CHD7 regulates the stem cell identity of human neural progenitors.
Genes & Dev 32:165-180,2018 Chai M, Sanosaka T, Okuno H, Zhou Z, Koya I, Banno S, Andoh-Noda T, Tabata Y, Shimamura R, Hayashi T, Ebisawa M, Sasagawa Y, Nikaido I, Okano H*, and Kohyama J*. (* Corresponding Authors)
2014年11月25日に、我が国では、再生医療を推進するという政府の方針とともに、再生医療安全確保法そして改正薬事法(薬機法)が施行となり、再生医療の規制状況が多く変革を遂げている。医学部生理学教室およびKeio University Global Research Institute (KGRI)の岡野 栄之教授とDouglas Sipp特任教授は、このCell Stem Cell誌の論文では、現在の我が国の再生医療の規制を以下のように分析している。再生医療等安全確保法により、再生医療等提供計画(医療および研究)は、その危険度や新規性に基づき第1種、第2種、第3種に分類されるようになった。これは、そもそも野放し状態であった再生医療の自由医療行為を認定制にするのが、この法律の一つの狙いであったことが背景にある。特定認定再生医療あるいは認定再生医療委員会の承認を得た件数でみると、第3種が圧倒的に多い(~97%)。件数でいうと3541件の総数のうち、かつては自由診療であった3種の医療行為は、実に3486件にも及び(2017年8月31日時点)、その質の管理が重要な問題となっている。一方、法律施行により、臍帯血を用いた再生医療行為を無届けで行った医師の逮捕と有罪確定という事態がおきている。これに対応し、政府もこの法律の施行における透明性を増すように法律改定に向けて動き出している。再生医療の法制度は、施行開始から4年目にあり、まだまだ成長期にある言えよう。今回の論文は、さらに米国での21st Century Cure Actによる再生医療関連法の改正など、日本のこの法律制定に刺激を受けた海外の状況についても分析を行っている。
(生理学教室 岡野栄之 62回)
その他の掲載論文
1: gamma delta TCR recruits the Syk/PI3K axis to drive proinflammatory differentiation program