Cell Stem Cell.
2024 May 14:S1934-5909(24)00176-0. doi: 10.1016/j.stem.2024.04.023.
Shintaro Watanuki, Hiroshi Kobayashi, Yuki Sugiura, Masamichi Yamamoto, Daiki Karigane, Kohei Shiroshita, Yuriko Sorimachi, Takayuki Morikawa, Shinya Fujita, Kotaro Shide, Miho Haraguchi, Shinpei Tamaki, Takumi Mikawa, Hiroshi Kondoh, Hiroyasu Nakano, Kenta Sumiyama, Go Nagamatsu, Nobuhito Goda, Shinichiro Okamoto, Ayako Nakamura-Ishizu, Kazuya Shimoda, Makoto Suematsu, Toshio Suda, Keiyo Takubo
幹細胞は加齢に伴って数が減少し、機能も低下すると一般に考えられています。しかし、すべての血液細胞を作り出す造血幹細胞(HSC)は加齢により数が増加するため、この一般的な考え方では説明がつきませんでした。私たちの研究チームは加齢マウスを用いた実験で、老化に伴ってHSCは細胞死を招く様々なストレスに対して耐性を持つようになり、生存優位性を獲得することを発見しました。さらに、加齢HSCでは、ミトコンドリアの呼吸鎖複合体IIの活性を上昇させるSDHAF1が蓄積し、その結果、酸化的リン酸化によるATPの産生が増強され、細胞傷害性ストレスに対する耐性が向上することが判明しました。ヒトにおいても、中年齢からSDHAF1の蓄積がHSCで始まることが確認されました。実際に、若齢HSCにSDHAF1を過剰発現させると、加齢HSCと同様の代謝変化や細胞死耐性が見られました。これらの研究結果から、加齢HSCは単なる機能低下した細胞ではなく、エネルギー代謝の観点から見ると“強い”HSCであることが明らかになりました。この知見に基づき、加齢に関連する血液異常を改善する新たな治療法の開発が期待されます。
(東北大学・国立国際医療研究センター 田久保圭誉 82回)
J Clin Oncol.
2024 May 22:JCO2302376. doi: 10.1200/JCO.23.02376.
Tamura R, Yamanobe Y, Fujioka M, Morimoto Y, Fukumura M, Nakaya M, Oishi Y, Sato M, Ueda R. Fujiwara H, Hikichi T, Noji S, Oishi N, Ozawa H, Ogawa K, Kawakami Y, Ohira T, Yoshida K, Toda M.
神経線維腫症2型(NF2-related schwannomatosis: NF2)は、両側性前庭神経鞘腫を主徴とし多発腫瘍が生じる遺伝性疾患で、若年より聴力が障害され、進行が早く10年生存率は67%と報告されています。我々は、NF2の腫瘍血管や腫瘍細胞が血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)を高発現していることに着目し、VEGFR1/2ペプチドワクチンの開発に着手しました。ワクチンにより活性化された細胞傷害性T細胞(CTL)は、VEGFR1/2を発現している細胞を標的として破壊します。また、CTLは体内で持続するため、長期効果が期待されます。NF2に対する免疫療法は本治療が世界で初めてであり、2016年より開始した臨床試験において、安全性・有効性について有望な感触を得ました。現在、VEGFR1/2ペプチドワクチンの製剤化を行っており、間もまく医師主導治験を開始する予定です。難治性良性腫瘍に対するペプチドワクチンの有効性を示すことができれば、既存の治療概念を変えることも期待されます。NF2は希少疾患であり、治療薬開発に焦点が当てられる機会は多くありません。NF2の患者さんに、一刻も早く新しい治療薬を届けられるよう、今後も一層尽力していきます。
(脳神経外科 戸田正博 66回、田村亮太 89回)
Stroke.
2024 Apr 4. doi: 10.1161/STROKEAHA.123.045358.
Shinya Yokomizo, Timo Kopp, Malte Roessing, Atsuyo Morita, Seeun Lee, Suin Cho, Emiyu Ogawa, Eri Komai, Kazumasa Inoue, Masahiro Fukushi, Susanne Feil, Hyung-Hwan Kim, Denis E. Bragin, Dmitry Gerashchenko, Paul L. Huang, Satoshi Kashiwagi and Dmitriy N. Atochin
Nicolas Leventoux*; Satoru Morimoto*; Mitsuru Ishikawa; Shiho Nakamura; Fumiko Ozawa; Reona Kobayashi; Hirotaka Watanabe; Sopak Supaku; Satoshi Okamoto; Zhi Zhou; Hiroya Kobayashi; Chris Kato; Yoshifumi Hirokawa; Ikuko Aiba; Shinichi Takahashi; Shinsuke Shibata; Masaki Takao; Mari Yoshida; Fumito Endo; Koji Yamanaka; Yasumasa Kokubo†; Hideyuki Okano†,.
Akari Masuda, Yuta Kurashina, Hidenori Tani, Yusuke Soma, Jumpei Muramatsu, Shun Itai, Shugo Tohyama, Hiroaki Onoe