慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点
English

ホーム > Young Researchers' Trip report > 52nd ASH(American Society of Hematology) Annual Meeting

52nd ASH(American Society of Hematology) Annual Meeting

氏名

國本 博義
GCOE RA
内科学(血液内科)

詳細

GCOE Young Researcher Support Plan(2010年度)
参加日:2010年12月3日~2010年12月8日

活動レポート

私は2010年12月3日から12月8日まで、52nd ASH(American Society of Hematology) annual meetingに参加した。ASH annual meetingは米国をはじめ、欧州、中東、アジアなど世界各国から血液領域の基礎・臨床研究者、臨床家が一堂に集まりunpublished dataを含めて最先端の研究成果が発表される血液領域では最大の学会である。毎年開催地が異なるが今回はFlorida州OrlandoのOrange County Convention Centerでの開催であった。

私にとって今回の学会は海外の学会としては初めての参加であった。参加して強く印象に残ったのは、まず学会会場の規模の大きさ(会場の端から端まで歩くと10分以上かかる)、そして演題数の多さとその内容であった。肌色の違う多種多様な人々が集まり、それぞれの研究成果を英語で議論しあう姿に大変刺激を受けた。1日目は途中からであったが、"Myeloid Meeting"に参加した。ここでは造血幹細胞や造血器腫瘍、特に急性骨髄性白血病・慢性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群・骨髄増殖性腫瘍の病態に関する基礎的知見が多く発表され、私自身の研究領域とも関連の深い内容であった。私自身は動物モデルを使った実験系で研究を行っているが、同じ内容でもヒトの臨床検体を使った研究成果なども紹介され、大変参考になった。2-4日目にかけては、白血病・骨髄異形成症候群・骨髄増殖性腫瘍・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの血液疾患に関するeducational sessionのほか、scientific session、またそれぞれの夜には軽食をとりながらposter sessionに参加した。Educational sessionでは、この領域で近年開発が著しい新薬の効果などに関する報告が多く血液内科医として学ぶことが多かった。Scientific sessionおよびposter sessionでは、造血幹細胞や骨髄性腫瘍の基礎的知見に関する報告を多く耳にしたが、特にヒト臨床検体から得られた知見や研究成果の報告については動物モデルの実験系から病態解明を目指す自分にとって大変参考になった。

今回の学会参加は、自身の研究領域における世界の潮流、とくに造血器腫瘍の病態解明における臨床検体を駆使した解析の重要性を強く認識するとともに、今後の自身の研究の方向性を深く考えさせられる実り多いものであった。来年以降は自身の研究成果を発表し、造血器腫瘍の病態解明を目指す研究者たちと情報を共有できるよう努力していきたい。


Copyright © Keio University. All rights reserved.