医師免許
医学博士
1990年3月 | 慶應義塾大学医学部卒業 |
---|---|
1992年5月 | 慶應義塾大学医学部理学診療(リハビリテーション)科(助手) |
1999年9月 | 慶應義塾大学 博士(医学)取得 |
2000年5月 | 英国ロンドン大学 国立神経研究所(リサーチフェロー) |
2002年5月 | 静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科 部長 |
2005年7月 | 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室(専任講師) |
2010年9月 | 慶應義塾大学病院腫瘍センターリハビリテーション部門(部門長、兼任) |
2012年4月 | 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室(准教授) |
2018年4月 | 慶應義塾大学病院骨転移診療センター(副センター長、兼任) |
2020年8月 | 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室(教授) |
1999年10月 | 慶應医学会三四会賞 |
---|---|
2005年6月 | 日本リハビリテーション医学会論文賞 優秀賞 |
2006年6月 | 日本リハビリテーション医学会論文賞 優秀賞 |
2007年6月 | 日本リハビリテーション医学会論文賞 奨励賞 |
2010年4月 | 第21回理学療法ジャーナル賞 |
2011年10月 | 慶應医学会三四会奨励賞 |
2016年9月 | 作業療法士協会設立50周年記念式典 功労賞 |
2020年8月 | 理学療法科学学会 優秀賞 |
リハビリテーション医学は、生活や動作の側面から、運動や認知、嚥下をはじめとする機能障害の診断・評価・治療を専門とする学問分野です。ひとつの医療分野を発展させるためには、基礎・臨床研究を推進し、研究に裏付けされた診療ガイドラインを作成、そのガイドラインに基づいた研修を実施し、専門的スタッフを育成することで医療の質を担保して医療を実践し、臨床場面での問題点を研究に活かすサイクルが必要です。
当教室では、神経生理学や運動生理学、脳科学を治療に応用するニューロリハビリテーション、がん患者の健康寿命やQOLを高めるがんのリハビリテーション治療(腫瘍リハビリテーション医学)、再生医療におけるリハビリテーション治療を研究領域の3本柱としています。
ニューロリハビリテーションにおいては、国立精神神経医療研究センター、理工学部、企業との共同研究により先端リハビリテーション治療に関する研究が進められています。2018年の脳卒中・循環器病対策基本法の成立を追い風に、学部間・産学連携により有効な治療法のない障害に対する革新的治療法の開発をさらに進め、医療行政や関連学協会・企業ともタッグを組んで社会実装を促進していきます。
腫瘍リハビリテーション医学分野では、2006年のがん対策基本法成立以降の官民を挙げた取り組みでこのサイクルを確立することに成功し、多くのノウハウを得ました。現在、様々な原発巣・治療目的・病期別に、リハビリテーション治療の効果やリハビリテーションプログラムの開発に関して、一般消化器外科をはじめとするがん関連診療科との共同研究、国立がん研究センター、静岡県立静岡がんセンターとの共同研究が進められています。
再生医療に関しては、当院で脊髄損傷患者に対する細胞移植治療が開始されていますが、構造化されたリハ治療、すなわち再生リハビリテーションを実施することが必須です。今後、脳・脊髄損傷患者へ多様な再生医療が様々な病期に導入されると、既存の機能予後予測手法を見直す必要があります。神経再生のメカニズムと実際の身体機能回復の関係に関して検討していく必要があり、生理学教室、整形外科との共同研究として、当教室で培ってきたニューロリハビリテーションの知見を活用しつつ実臨床へ適応させていきます。また、難治性重症心不全(拡張型心筋症)患者に対する再生心筋細胞移植時には、心筋の再生を促進するための適切な負荷量(運動様式・時間・強度・回数・期間)を設定するため、循環器内科との共同研究として、リハビリテーション治療プログラムの確立に取り組んでいます。
そのほか、難治性の病態であるリンパ浮腫に関しては、解剖学教室、形成外科、放射線診断科との共同研究として、光超音波イメージング装置やMR Lymphangiographyなどの最先端の評価機器を用いた、リンパ管機能評価法の開発・運動療法プログラムの開発、放射線診断科との共同研究として、立位CTなどの最先端の評価機器を用いて、これまで見過ごされていた障害の側面を詳らかにする新しい評価手法の開発、理工学部や国際電気通信基礎技術研究所(ATR)との共同研究として、最先端の工学技術とリハビリテーション医学の融合を目指すロボットリハビリテーション、循環器内科との共同研究として心疾患患者を対象とした緻密な心臓リハビリテーション、地域医療や災害支援に関する地域リハビリテーションや災害リハビリテーション、各種疾患・障害に対する専門的リハビリテーション、リハビリテーション心理学など幅広いテーマに取り組んでいます。
さらに、高齢化がさらに進み高齢化率が30%を超える時代(2030年問題)を迎えるにあたっては、原病や併存疾患の治療だけでなく、フレイル・サルコペニア、認知症や脳神経・運動器・呼吸循環器系の重複障害への対処を入院時から自宅療養時までシームレスに継続することが不可欠です。本大学が2021年度に新規採択された共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)に参画し、医療・福祉およびヘルスケア関連の企業が連携して、個々の患者のニーズに適したセッティングでリハビリテーションサービスが受けられるフレームワークの構築を目指しています。
すべての研究領域において、医師とともにリハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の入学を歓迎しており、わが国のリハビリテーション医学を先導する人材の育成に努めています。がんプロフェッショナル養成プランは、我が国でも数少ない腫瘍リハビリテーション医学の専門医療職育成課程です。修士課程(ライフステージ別がん専門リハビリ療法士養成コース)、博士課程(医療科学系 リハビリ専門医養成コース)では、提携施設である静岡がんセンター、国立がん研究センター、MDアンダーソンがんセンターと連携し、相互交流の機会を設けています。卒業生は全国がん専門医療機関や大学等で活躍しています。
がんプロウェブサイト
1.ニューロリハビリテーション 1)上肢麻痺患者の運動麻痺回復のための治療戦略の開発(各種ニューロモデュレーションの活用) 2)歩行障害に対する治療戦略の開発 |
2. がんのリハビリテーション治療(腫瘍リハビリテーション医学) 1)がん患者のための機能評価尺度の開発 |
3.再生医療におけるリハビリテーション治療 1)造血幹細胞移植患者に対するリハビリテーション治療プログラムの開発 2)脊髄損傷マウスに対する神経幹細胞移植時のリハビリテーション治療プログラムの開発 |
4.その他 1)リンパ浮腫の評価法の開発・運動療法プログラムの開発 2)工学・ロボットリハビリテーション |