2025年12月21日、慶應義塾大学医学部主催 第10回健康医療ベンチャー大賞の最終審査会が開催されました。
今回、10回目を迎える本コンテストには全国から150チーム以上の応募がありました。リーグ別に1年かけて審査を勝ち抜いてきた学生部門のファイナリストと各リーグの優勝者が集い、12月21日に日本橋高島屋三井ビルディング日本橋ホールにて、総合優勝を決める最終審査会が開催されました。
社会人部門は各リーグ(創薬・SaMDリーグ、ウェルネスリーグ、ヘルスケアシステムリーグ)の予選・リーグ決勝を勝ち抜いた3チームと、学生部門(ビジネスチャレンジ部門・アイデア部門)で1次予選・2次予選を勝ち抜いた4チームの合計7チームは、医療やビジネスの専門家からアドバイスを受け、それぞれのビジネスプランを入念にブラッシュアップして最終審査会に臨みました。
学生アイデア部門での優勝を勝ち取ったのは、農と食を通じたメンタルヘルスケア「Agricare」を提案した慶應義塾大学看護医療学部の伊藤真由さんでした。同チームはオーディエンス賞も受賞されました。ありのままの自分が受け入れられるスペースを作りたい、その熱量とアイデアの斬新さが評価されました。
学生ビジネスチャレンジ部門での優勝を勝ち取ったのは、内視鏡トレーニングシステムを開発する東京大学工学系研究科の鷲見直さんでした。同チームは一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)による企業賞「ライフサイエンス賞」およびCRIK信濃町による「CRIK信濃町特別賞」を受賞されました。開発された技術を精力的に多くの方々に使っていただき商品の改善化を図っている点が評価されました。
社会人部門で総合優勝を勝ち取ったのは、子育て支援サービスを提供する、株式会社グッドバトンの園田正樹さんでした。自治体を巻き込んだ包括的なサービス、着実に収益をあげている事業プランなど緻密な戦略性が審査員に評価されました。
有限責任あずさ監査法人による企業賞「あずさ監査法人 インキュベーション賞」、そしてクレコンリサーチ&コンサルティング株式会社による企業賞「CRECON Bioinformatics & Data Analytics賞」は、造血幹細胞増幅技術を用いた細胞・遺伝子治療製品・技術の開発をされているセレイドセラピューティクス株式会社の荒川信行さんが受賞されました。同チームはLINK-Jをリーグメインスポンサーに迎えた創薬・SaMDリーグの優勝者で、同チームの希少疾患へのニーズの高さと技術の独自性が審査員に評価されました。同チームは社会人部門のオーディエンス賞も受賞されました。
また、CRIK信濃町からの「CRIK信濃町特別賞」は貼るアロマテラピーのパーソナライズプラットフォームを提案する株式会社ReEssenceの重田美彩子さんに授与されました。同チームは、森ビル株式会社をリーグメインスポンサーとするウェルネスリーグの優勝者で、課題の明瞭さと有効性について正しく評価していこうとする意欲が審査員に評価されました。
惜しくも受賞には届かなかったものの、終末期医療や臓器提供について話すきっかけを作るサービスを提案する慶應義塾大学医学部の石井凛さんは課題の重要性に着目した点が評価されました。歯科衛生の予防医療プラットフォームを提供する、株式会社I&Company/京都大学大学院医学研究科の多和実月さんは、事業の新規性が評価されました。
シンポジウム①では『新しい10年を創る―若手起業家が見つめる医療の現在地』と題して
・シンポジスト:OUI Inc. 代表取締役/慶應義塾大学医学部眼科学教室 特任講師/横浜けいあい眼科 清水 映輔氏
・シンポジスト:株式会社medimo 代表取締役 / 共同創業者 中原 楊氏
・シンポジスト:慶應義塾大学医学部・大学院医学研究科附属医科学研究連携推進センター 特任講師 田澤 雄基氏
・モデレーター:健康医療ベンチャー大賞実行委員長/慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室 助教 大岡 令奈氏
にご登壇いただきました。
シンポジウム②では『慶應医学部発ベンチャー:10年の軌跡と、次の10年への挑戦』と題して
・シンポジスト:慶應義塾大学再生医療リサーチセンター センター長/慶應義塾大学 教授 岡野 栄之氏
・シンポジスト:Heartseed株式会社 代表取締役社長/慶應義塾大学 名誉教授 福田 恵一氏
・モデレーター:株式会社坪田ラボ 代表取締役社長/慶應義塾大学 名誉教授 坪田 一男氏
にご登壇いただきました。
「育てるベンチャー大賞」というビジョンをもって開催される本イベントは、健康医療の分野でイノベーションを起こし社会を先導する方々にスポットライトを当て、支援する活動を続けていきます。