2024年12月15日、慶應義塾大学医学部主催の第9回健康医療ベンチャー大賞の最終審査会が開催されました。
今回、9回目を迎える本コンテストには全国から160チームからの応募がありました。学生部門、および社会人部門はリーグ別(創薬・SaMDリーグ、ウェルネスリーグ、ヘルスケアシステムリーグ)に1年かけて審査を行ってきました。学生部門のファイナリストと各リーグの優勝者が集い、12月15日に麻布台ヒルズ森JPタワー33・34階Hills Houseにて、それぞれの部門の総合優勝を決める最終審査会が開催されました。
160チームの中から各リーグ予選・リーグ決勝を勝ち抜いた3チームと、学生部門で1次予選・2次予選を勝ち抜いた3チームの合計6チームは、医療やビジネスの専門家からアドバイスを受け、それぞれのビジネスプランを入念にブラッシュアップして最終審査会に臨みました。
学生部門での優勝を勝ち取ったのは、ニューロダイバーシティ採用支援プログラムを提供する 一般社団法人ニューロダイバーシティ協会代表理事の市田悠貴さんでした。同チームは一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)による企業賞「LINK-Jx慶應義塾大学賞」およびクレコンリサーチ&コンサルティング株式会社による企業賞「CRECON Bioinformatics & Data Analytics賞」も受賞されました。同チームの社会的意義の大きさと熱意が審査員に評価されました。
社会人部門で総合優勝を勝ち取ったのは、AI による 放射線治療計画支援サービスを提供する、アイラト株式会社の木村祐利さんでした。同チームはあずさ監査法人による企業賞「あずさ監査法人 インキュベーション賞」も受賞されました。同チームはLINK-J supported by Blockbuster TOKYOをリーグメインスポンサーに迎えた創薬・SaMDリーグの優勝者で、ディープテックスタートアップに求められる事業化戦略と知財戦略の両立がなされている点が評価されました。
また、社会人部門のオーディエンス賞を受賞したのは、国内初の治療と仕事の両立支援に関するSaaS「アリルジュSUPPORT」を提供するアリルジュ株式会社、森下真行さんでした。同チームは、CRIK信濃町がオープンしたことを記念して提供されたCRIK信濃町特別賞も受賞されました。社会課題に広く貢献できる事業として審査員に評価されました。
学生部門のオーディエンス賞を受賞したのは、「こころのトレジャーハント」というメンタルヘルスを整理して打ち明けるサポートをするカードゲームを提供するnayamiiの堀祐大朗さんでした。社会的意義の深さや独創性が評価されました。
惜しくも受賞には届かなかったものの、女性アスリート向けのコンディション管理サービスを提供する株式会社LEANの立道友緯さんは、森ビル株式会社をリーグメインスポンサーに迎えたウェルネスリーグの優勝者で特定領域のニーズに向き合っている情熱が評価されました。学生部門の医療ツーリズムマッチングプラットフォームを提供する、合同会社neuro pick/名古屋工業大学大学院の船曳陸斗さんは、ニーズが高く事業成長性の高さが評価されました。
シンポジウム①では『AIデータサイエンスと医療・ヘルスケアの融合 スタートアップの可能性』と題して
・シンポジスト:慶應義塾大学病院 副病院長 / 医学部放射線科学教授 陣崎雅弘氏
・シンポジスト:慶應義塾大学医学部 教授 桜田一洋氏
・シンポジスト:株式会社CureApp 代表取締役社長(医師)佐竹晃太氏
・モデレーター:慶應義塾大学医学部 副医学部長(イノベーション担当)/ 整形外科学 教授 中村雅也氏
にご登壇いただきました。
シンポジウム②では『ヘルスケアスタートアップの“話し方”〜サイエンスを魅力的に話すには〜』と題して
・シンポジスト:株式会社クロスメディスン 代表取締役 / 徳島大学医学部6年 中井洸我氏
・シンポジスト:東京核酸合成株式会社 代表取締役 松井雅章氏
・シンポジスト:株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ プリンシパル 鳥居優人氏
・シンポジスト:慶應義塾大学イノベーション推進本部スタートアップ部門 特任准教授 宗像亮介氏
・モデレーター:健康医療ベンチャー大賞実行委員長 / 慶應義塾大学医学部 産婦人科学 助教 大岡令奈氏
にご登壇いただきました。
「育てるベンチャー大賞」というビジョンをもって開催される本イベントは、健康医療の分野でイノベーションを起こし社会を先導する方々にスポットライトを当て、支援する活動を続けていきます。2025年度には記念すべき第10回の開催が予定されています。