博士課程合同サマースクールは、本学医学研究科、カロリンスカ医科大学(スウェーデン)、キングズ・カレッジ・ロンドン(英国)、および北京大学(中国)との国際共同プログラムとして2012年に開始されました。本プログラムは、世界各国の優秀な博士課程の学生が一堂に集い、最先端の知識を各大学の教員から習得するとともに、学生間の活発な研究交流活動の醸成を目的としたものです。参加する4大学が持ち回りでホスト校となり、レクチャーコースを主軸としたプログラムを開催しています。
2024年度の博士課程合同サマースクールは、7月1日(月)〜7月5日(金)に、本学がホスト校となり、Longevity; from science to social biologyをテーマとして実施されました。各大学から教員(各2名)および博士課程学生(各3~5名)が参加しました。本学からは同プログラム立ち上げメンバーの医学部薬理学教室の安井正人教授を筆頭に、医学部、薬学部、理工学部、看護医療学部、WPI-Bio2Q、百寿総合研究センター、予防医療センター、グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)から教員16名が講義を行いました。他の参加大学からは生命科学、応用生理学、健康開発研究、総合医工学、健康データサイエンス、医学生物化学など、さまざまな分野からの教員による貴重な講義が行われました。すでに互いの研究を知り、研究内容が重なる研究者もいたため、講義終了後も活発に質疑応答や意見交換が行われました。
本プログラムはグループワークが多く、学生間でも積極的な交流が行われました。「多様な分野の研究者と交流できた」とポジティブな感想が多く、参加者が国を超えて積極的に話し合う場面が多く見受けられました。学生からは「今回のプログラムで知り合った研究者と将来コラボレーションしたい」との声もあり、本プログラムで学んだことを今後の研究に活かしたいという積極的な姿勢がうかがえました。またプログラムでは本学医学部学生アンバサダーによる国立競技場ツアーとAIホスピタルツアーが行われ、参加者は東京2020夏季オリンピック会場と最先端の医療技術を見学しました。
最終日には博士課程学生は3グループに分かれ、プログラム中に受けた講義を自分の研究テーマにどのように活かしていけるかを議論し、それぞれのグループで代表者1人が全体発表を行いました。高齢化社会における問題解決に向けて、科学から社会生物学にいたる幅広い分野の各国の研究者が、意見交換する有意義な機会となりました。参加学生の中から将来のグローバルリーダーが排出され、同プログラムの参加校が国際医療アライアンスを形成していくことが期待されます。
2025年度の博士課程合同サマースクールは、北京大学医学部がホスト校となり、LongevityとAIをテーマとし開催する予定です。本プログラムが未来の研究発展の一助となるよう願います。