2023年9月28日(木)、多磨霊園と増上寺において医学部主催による墓前祭と解剖諸霊供養法会が執り行われました。
医学部では、医学教育と学術研究の発展のため、尊いご遺体を供された諸霊の冥福を祈ることを目的として、毎年、秋の彼岸にご遺族をお迎えし、教職員・医学部生が参列する解剖諸霊供養法会を執り行っています。この法会は港区芝公園の増上寺において、1928年から行われており、医学部における最も重要な行事のひとつとして位置づけられています。直近3年間は、新型コロナウイルス感染症の影響拡大を受け、慶應義塾関係者および医学部生の代表者のみで開催しましたが、本年は、ご遺族も招き、感染防止に留意した上で執り行われました。
本年も法会に先立ち、多磨霊園にある医学部の納骨堂前において、墓前祭が執り行われました。増上寺僧侶による誦経と共に、金井隆典医学部長をはじめとする医学部関係者による焼香が行われました。
引き続き、増上寺本殿において解剖諸霊供養法会を執り行いました。法会では医学部長による祭文、大本山増上寺 小林正道執事長をはじめとする大勢の僧侶による誦経と共に、約400名のご遺族、学生、関係者が参列しました。最後に教職員を代表し、藤田眞幸医学部法医学教室教授より、医学の進歩のために献体されたことを真摯に受け止め、諸霊、ご遺族への敬意と感謝が表されました。また、医学部生には、解剖を通して、人体の構造を学ぶだけでなく、お亡くなりになられた方の尊い御遺志と、御遺族の深い御理解をかみしめて、医師に向けての大切な第一歩を歩み始めるよう語られました。
解剖から得られた貴重な知見を、医療の進歩や社会の安全に繋げていけるよう、今後、一層努力していくことを誓うと挨拶があり、閉会となりました。