2021年9月29日(水)、多磨霊園と増上寺において医学部主催による墓前祭と解剖諸霊供養法会が執り行われました。
医学部では、医学教育と学術研究の発展のため、尊いご遺体を供された諸霊の冥福を祈ることを目的として、毎年、秋の彼岸にご遺族をお迎えし、教職員・医学部生が参列する解剖諸霊供養法会を執り行っています。この法会は港区芝公園の増上寺において、1928年から行われており、医学部における最も重要な行事のひとつとして位置づけられています。本年は、新型コロナウイルス感染症の影響拡大を受け、慶應義塾関係者および医学部生の代表者のみで感染防止に留意した上で執り行われました。
本年も法会に先立ち、多磨霊園にある医学部の納骨堂前において、墓前祭が執り行われました。増上寺僧侶による誦経と共に、金井隆典医学部長をはじめとする医学部関係者による焼香が行われました。
引き続き、増上寺本殿において解剖諸霊供養法会を執り行いました。法会では医学部長により祭文が読み上げられ、88世御法主 八木季生大僧正台下をはじめとする大勢の僧侶の誦経により諸霊の冥福を祈りました。最後に教職員を代表し、金井弥栄医学部病理学教室教授より、医学の進歩のために献体されたことを真摯に受け止め、諸霊、ご遺族への敬意と感謝が表されました。また、医学部生には、献体をしてくださった御霊の深い志と真摯に向きあうことによって初めて医療者への道を歩み始めることができるため、初めてご遺体と対面した日の緊張と畏怖の気持ちを生涯忘れないことを求めると語られました。今後も、献体をしてくださった御霊ならびにご遺族のお心を無駄にすることなく、次の時代の医療の進歩のために努めることを誓うと挨拶があり、閉会となりました。