2020年9月23日(水)、多磨霊園と増上寺において医学部主催による墓前祭と解剖諸霊供養法会が執り行われました。
医学部では、医学教育と学術研究の発展のため、尊いご遺体を供された諸霊の冥福を祈ることを目的として、毎年、秋の彼岸にご遺族をお迎えし、教職員・医学部生が参列する解剖諸霊供養法会を執り行っています。この法会は港区芝公園の増上寺において、1928年から行われており、医学部における最も重要な行事のひとつとして位置づけられています。今年は、新型コロナウィルス感染症の影響拡大を受け、慶應義塾関係者および医学部生の代表者のみで感染防止に留意した上で執り行われました。
本年も法会に先立ち、多磨霊園にある医学部の納骨堂前において、墓前祭が執り行われました。増上寺僧侶による誦経と共に、天谷雅行医学部長をはじめとする医学部関係者による焼香が行われました。
引き続き、増上寺本殿において解剖諸霊供養法会を執り行いました。法会では医学部長により祭文が読み上げられ、88世御法主 八木季生大僧正台下をはじめとする大勢の僧侶の誦経により諸霊の冥福を祈りました。最後に教職員を代表し、久保田義顕医学部解剖学教室教授より、医学の進歩のために献体されたことを真摯に受け止め、諸霊、ご遺族への敬意と感謝が表されました。また、教鞭を執る際には、献体された故人の崇高なご意志を十分に感じ取って解剖に臨むことを最も重視しており、解剖を通して多くを学んだ医学部生が将来優秀な医師となり、ご遺族に恩返しをしていくものと信じていると語られました。今後も一層心を引き締め、医学・医療に真剣に向き合い、発展に寄与することを誓うと挨拶があり、閉会となりました。