2019年10月23日、ディアナ リトアニア大統領夫人が慶應義塾大学信濃町キャンパスに来塾されました。
はじめに、慶應義塾大学病院1号館6階で小児科の高橋孝雄教授・山岸敬幸教授より小児系総合病棟の概要説明が行われました。続いて、 NICU(Neonatal Intensive Care Unit: 新生児集中治療管理室)において、有光威志助教より当院で268グラム・妊娠24週で出生した超低出生体重児の男児に対する治療管理の説明や、大きな合併症もなく元気に退院したエピソードが紹介されました。続いて訪れた小児病棟では、リトアニアの国旗を手作りして出迎えた子供たちや医療スタッフに温かい笑顔を向けられ、子供たちとの交流を喜ばれました。
その後、総合医科学研究棟へ移動し、臨床遺伝学センターの小崎健次郎教授より、国立研究開発法人日本医療研究開発機構が主導し慶應義塾が主要拠点である、未診断疾患イニシアチブ(IRUD:Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases)の取り組みについて説明が行われました。IRUDは、診断がつかない患者さんの遺伝子を幅広く調べ、その結果を症状と照らし合わせることで、診断の確定を目指しています。IRUD事業で培った技術をもとに、臨床遺伝学センターは 31名の診断不明のリトアニア人患者さんの解析を行い9名(29%)について診断を得たことが説明されました。大統領夫人は大変に感激され、研究室メンバー全員と握手をなさいました。
今回の来塾は、リトアニア共和国との小児難病・未診断疾患研究における協力関係の一層の発展に向け、有意義なものとなりました。