
1997年5月 医師免許
2004年3月 医学博士
消化器病学、腫瘍学、分子遺伝学、再生医学、幹細胞生物学、生化学
1997年3月 | 慶應義塾大学医学部 卒業 |
---|---|
2003年3月 | 慶應義塾大学大学院医学研究科所定単位取得退学 |
2004年3月 | 博士(医学)慶應義塾大学大学院医学研究科(第2263号) |
1997年4月 | 慶應義塾大学病院 内科研修医 |
2003年4月 | 慶應義塾大学病院 内科専修医 |
2004年9月 | 慶應義塾大学病院 COE特別研究員 |
2005年9月 | 東京電力病院 消化器内科 医員 |
2006年4月 | Stowers研究所(米国)博士研究員 |
2007年7月 | Hubrecht研究所(オランダ)博士研究員 |
2011年4月 | 慶應義塾大学医学部 内科学(消化器) 特任助教 |
2011年7月 | 慶應義塾大学医学部 内科学(消化器) 特任講師 |
2012年6月 | 慶應義塾大学医学部 総合医科学研究センター 特任講師(若手テニュアトラックプログラム) |
2013年4月 | 慶應義塾大学医学部 内科学(消化器) 特任准教授 |
2016年4月 | 慶應義塾大学医学部 内科学(消化器) 准教授 |
2018年11月 | 慶應義塾大学医学部 坂口光洋記念講座(オルガノイド医学)教授 |
2023年4月 | 慶應義塾大学医学部 医化学教室 教授 |
2011年 | 三四会奨励賞 |
---|---|
2012年 | 慶應医学奨励賞 |
2012年 | 井上リサーチアワード |
2012年 | 文部科学大臣表彰 若手科学者賞 |
2012年 | 慶應義塾大学医学部三四会 北島賞 |
2016年 | 日本医師会医学研究奨励賞 |
2017年 | 井上学術賞 |
2018年 | 第14回 日本学術振興会賞・第14回 日本学士院学術奨励賞 |
2019-24年 | Highly Cited Researchers (Clarivate Analytics) |
2020年 | 持田記念学術賞 |
2023年 | 小林賞 |
2023年 | 安田医学賞 |
2025年 | 武田医学賞 |
当研究室では、ヒト組織由来の三次元培養系「オルガノイド」を基盤に、組織幹細胞の制御機構とその破綻に起因する疾患発症機序を研究しています。特に、がん化過程の再構築、腸管粘膜再生の分子基盤、機能的オルガノイドの確立、代謝ネットワークのモデリングを通じて、基礎から臨床へと橋渡し可能な研究を展開しています。
1. がん再構築
患者由来がんオルガノイドを用い、腫瘍の組織学的・遺伝学的特徴を保持したまま in vitro に再現することで、がんの自然史を追跡しています。さらに、CRISPR-Cas9 を用いた正常オルガノイドの遺伝子改変により、ドライバー変異の組み合わせから大腸がんなどをリバースエンジニアリングし、発がん・浸潤・転移・薬剤耐性獲得の分子基盤を明らかにしています。
2. 再生デザイン
ヒト腸オルガノイド移植モデルを確立し、上皮再生のメカニズムを直接的に解析しています。小腸オルガノイドを大腸に移植し「小腸化大腸」を実現するなど、潰瘍性大腸炎や短腸症候群といった難治性腸疾患に対する再生医療アプローチを推進しています。これにより、臨床応用に向けたトランスレーショナルリサーチを展開しています。
3. 機能的オルガノイド
従来の「形態模倣型」から一歩進め、極性形成、オルガネラ配置、シグナル応答を備えた「機能的成熟型オルガノイド」の確立を目指しています。構造・代謝・情報伝達の多層的解析を組み合わせ、真に機能を発揮する Functional Organoid を創出し、疾患モデリングや創薬研究に応用しています。
4. 代謝モデル
代謝イメージング、質量分析、フラックス解析を駆使し、細胞外刺激に対する代謝応答を精密に解析しています。特に肝オルガノイドを基盤とする代謝モデルを構築し、薬物毒性評価や代謝疾患研究に応用しています。さらに、細胞機能成熟を促進する新規代謝物質の同定と作用機序の解明を進め、代謝制御に基づく医療基盤の創出を目指しています。
修士、博士