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2 補助事業について

(1)目的・必要性

現在、医療に対し厳しい目、社会情勢を反映して、アメリカではMedical Professionalismを意識した教育カリキュラムの改善、医学教育実施体制の再検討が医学部大学病院、主な教育病院で実施され、その医学部教育への実践が強く意識されている。我が国の医学教育では、本学医学部の教育を含め、このようなグローバルな流れに十分に対応しきれていない。一方、我が国はアメリカと異なり、医学部には高校卒業段階で入学するケースがほとんどであるため、アメリカとは違ったMedical Professionalismへのアプローチが必要であると考える。医学教育の質向上と卒業時の医学生レベルの担保は、いま社会的に極めて重要度が高い。従来の医学知識、医学手技に加え、患者さん中心の医療を行うことを医学生に早くから意識させ、生命倫理や医療に関する法律の理解と遵守、医師としての義務の遂行、ヒューマニズムの実践、生涯学習の態度を確立するなど、医療人として要求される全てに幅広く触れ、かつバランスのとれた医療人養成を第一に考えるMedical Professionalism教育の確立を目指す必要がある。

日本の教育システムにあった医療プロフェッショナルを意識させ、質の高い医学教育プログラムを確立、実践するために、次の5項目の実践を本取組のコアにする。

@  医の原則や最近の医療を巡る諸問題を小グループで討論させ、理解し身に付けさせるプロジェクト
A  模擬患者(SP)とシミュレータを併用した新たなシミュレーション教育プロジェクト
B  地域医療への積極的参加をプログラムし、プライマリ・ケアを理解するプロジェクト
C  自主的な学習意欲を高め、問題解決能力を向上するプロジェクト
D  Medical Professionalismの到達度を客観的に評価する評価スケールの作成プロジェクト


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