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幹細胞医学の教育・研究拠点は不滅です!
グローバルCOEプログラム『幹細胞医学のための教育研究拠点』
拠点リーダー 岡野 栄之
岡野 栄之
文部科学省のサポートにより21世紀COEそしてグローバルCOEと10年続けた幹細胞医学のCOEプログラムがいよいよ終了します。この10年間、幹細胞に関する人材育成と研究推進に従事したことは無論のことですが、その間に申請書の準備、ヒアリングの練習、交付申請書の準備、中間評価、最終評価、21世紀COEからグローバルCOEの移行に伴い、また改めて同じプロセスを繰り返し、そしていよいよ幕引きをするこの日を万感の思いで迎えております。時が経つのは本当に早いものです。21世紀COEのスタート時に小学校に入学した私の娘は、今や高校生になっております。そして嬉しいことに、21世紀COEの時に大学院生としてトレーニングを受けた若きホープの何名かの諸君は、海外での武者修行を経て素晴らしい業績を土産に、今度は若きPrincipal Investigatorとして慶應に帰って来てくれて、今は後進の指導にあたってくれております。これぞ、我が拠点が標榜する「人材の自己複製」の証明であると思っております。短かったようですが、この10年間に幹細胞の研究フィールドは革命的な進展を示しました。我々のCOEの誕生とほぼ時を同じくして誕生した国際幹細胞学会(ISSCR)は、今やまさしく世界の幹細胞研究の推進役を担うまでに成長しました。そしてこの間、慶應医学において、幹細胞研究は基礎、臨床ともに確実に浸透し、我々のCOEも質・量ともに世界に冠たる幹細胞研究拠点に成長しつつあります。事実、2012年6月に横浜で開催された第10回のISSCR大会で(The International Society for Stem Cell Research)は、我々GCOEのメンバーの活躍が著しく、講演筆頭著者数の所属機関別順位では、ポスター発表数、口頭発表数ともに慶應義塾大学は、堂々の世界二位となっています。そして2012年、2007年のES細胞に引き続き、今年も幹細胞研究がノーベル医学・生理学賞の対象となりました。この二度に渡る受賞の対象となった研究は、いずれも基礎的な研究であります。これからも基礎研究を深めることは言う迄もありませんが、これからの幹細胞研究の重要なミッションは臨床応用であることは否めません。となりますと、まさにこれからが、基礎・臨床一体型の我々の慶應義塾大学の幹細胞拠点が真骨頂を示す時であります。初めから判り切ったことですが、公的資金によるCOEプログラムにはいつか終わる時期が来ます。しかし、我々が10年間かけて構築してきた「幹細胞医学の教育・研究拠点」のノウハウ、魂は不滅です。COEプログラムではなくなりますが、今後もこの拠点は、世界に冠たる拠点として活動を続けたいと思います。
2013年3月
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