慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点
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Student Seminar

あの先生の講演が聴きたい!研究者として、どうしても意見をきいてみたい!あの研究は、どのようなきっかけで生まれたのか知りたい!あの論文の裏には、どのような苦労があったのか知りたい!!あの研究をしたあの先生は今、どんな研究を進めているのか知りたい!!!そんな研究者の熱い思いを形にするため、Global COE Program 「幹細胞医学のための教育研究拠点」では、若手研究者(大学院生)のリクエストで選ばれた先生を信濃町キャンパスにお迎えし ご講演いただく企画を実現しました。講師来日の依頼から企画運営すべてをGCOE若手研究者の手で実行しました。自らの力で世界の研究者とのネットワークを広げ、次のステップをも見出せた刺激的なセミナーになりました。

Student Seminar  #1

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開催日:2012年2月16-17日
招聘講師名:Joanna Krystyna Wysocka, Ph.D.
所属・職位:Assistant Professor of Chemical and Systems Biology and Assistant Professor of Developmental Biology, Stanford University

メインホスト:奥野博庸 GCOE RA 小児科学

「Student Seminar #1を開催して」

私は小児科医として遺伝性疾患を日々診療しています。世の中には遺伝子の変異や欠失が原因となり様々な発生過程に生ずる障害を持っている方々が居られます。そのなかの1つに神経堤細胞の発生/分化の異常により症状が生じる疾患群があります。
Joanna Wysocka氏は、ヒトES細胞より誘導した神経堤細胞において、CHD7( chromo-domain helicase DNA binding protein 7)遺伝子が神経堤細胞たらしめる遺伝子の発現やその細胞遊走を促進させていることを示しました(Nature. 2010; 463 (7283): 958-62 )。彼女は活性化しているエンハンサーとp300、H3K4me1、H3K27acのエピジェネティックな状態が関連していることを用いて、神経堤細胞に特異的に活性化しているエンハンサー領域を複数見出しました。これらを通じて、神経堤細胞の分化能や遊走能がどのように獲得されていくのかを次々と解明しています。この手法を用いて、CHD7のhaploinsufficiencyで生じるCHARGE症候群では、実際にどのような異常が神経堤細胞で生じているかを突き止める手掛かりになると感じました。そのような折に、若手研究者主導により「リクエストセミナー」が開催されるという話を知り、ぜひJoanna Wysocka先生に講演をして頂きたく思いリクエストをしたところ、幸運にも採択して頂くことができました。
招聘するにあたりましては、GCOEの委員である須田先生、岡野先生からもJoanna先生に学生が招待をしたいと言っている旨をメールで伝えて頂けるなど多くのサポートを頂き、想像以上にスムーズに承諾を得ることができました。1通目のメールは、どのように文面を記載すればよいか思い悩み、英語メールのHow to本などを2-3冊読んで記載したのですが、とてもフランクな返信を頂き、その後はメールするのが大変楽しく感じることができました。
Joanna Wysocka先生を招聘するにあたり、同じラボに居られる旦那さんのTomekさん、Christaさん、Eliezerさんの3人のポスドクの方にも来て頂き、Joannaさんと一緒にLab tourに参加して、discussionや発表をしてもらうことができました。来られた方はみな親日家で、家で茶碗蒸しを作ったり、てんぷらが好物だっだり、鎌倉に行ったことがあったりと、日本について詳しかったことには大変驚きました。
講演は事前にGCOEのスタッフの方々が多くのポスターを作成し、会のアナウンスをしてくれましたお陰もあり、多くの学生や先生方に参加して頂くことができました。講演は神経堤細胞の分化、遊走の制御からそれに伴って顔面形成がどのように行われているかを解明するべく研究されている過程のお話を伺い、大変盛況の中で行うことができました。
また、このセミナーでJoannaさんの行っている細胞誘導の系や解析についてとても興味を持っている旨をお伝えしましたところ、Joannaさんのラボに招待して頂き、この夏に1カ月ほどStanfordのJoanna Wysocka先生の研究室で過ごす機会を与えて頂きました。
このセミナーを通して、多くの知識や技術を得られただけでなく、第一線で活躍している海外の科学者を大変身近に感じることができたことは私にとって大変に大きな実りになりました。セミナーがきっかけで知り合ったJoannaさんのラボのメンバーとは今でもメールでやり取りをし、研究を通して海外の人たちと繋がっていくことの楽しさを実感することができました。今後は自分からも色々と面白いことを世界に発信していけるような研究者になれるよう、研究に励みたく思っております。
最後になりましたが、このような大変貴重な機会を与えて頂き、GCOEの先生、委員およびスタッフの方々に誠に感謝しております。有難うございました。

同行していただいた方々:
Tomasz Swigut, Ph.D.
Senior Research Scientist, Department of Chemical & Systems Biology, Stanford University School of Medicine.

Christa Buecker, Ph.D.
Postdoctoral Fellow, Department of Chemical and System Biology, Stanford University School of Medicine, Stanford, CA, USA.

Eliezer Calo-Velazquez, Ph.D.
Postdoctoral Fellow, Department of Chemical and System Biology, Stanford University School of Medicine, Stanford, CA, US

A.Message from Stanford Univ.;

Dr. Joanna Wysocka
I want to thank you and all members of the student committee for inviting us and being such gracious and generous hosts. We had a great time and have many wonderful memories from our trip. It was such a pleasure to get to know you and hear about your science.

Dr. Christa Bucker
I really enjoyed the trip to Japan and found it incredibly educating. The talks and the interactions with the labs were incredible, I was impressed by the quality of the presented projects.

Dr.Eliezer Calo
Visiting Japan was a GREAT experience. There are not enough words that can describe how incredible was to visit Tokyo. The food was extremely delicious and the people were very warm and welcoming. But more amazingly was the interaction and exposure to different scientists and their research projects. Every single aspect of the visit, from visiting the labs to listening student and postdoctoral fellow presenting their work was exceptional.

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Student Seminar  #2

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開催日:2012年10月4-5日
招聘講師名:Sung Wook Chi, Ph.D.
所属・職位:Assistant Professor
Graduate School, Department of Health Sciences & Technology,
Samsung Advanced Institute for Health & Technology (SAIHST),
Sungkyunkwan University (SKKU), Seoul, Korea
Samsung Research Institute for Future medicine,
Samsung Medical Center (SMC), Seoul, Korea

メインホスト:陶山智史 GCOE RA 生理学

「Student Seminar  #2を開催して」

Seminar開催を通して、先生の招聘からセミナーでの司会、自らの研究発表と非常に有意義な経験をさせてもらったと思っております。
セミナーを開催するに当たり、まずGCOEの「幹細胞医学のための教育研究拠点」というテーマに沿ってSung Wook Chi先生の招聘を希望しました。Sung Wook Chi先生は、HITS-CLIPという新しい手法を用いることで、発生期の脳におけるin vivoでのArgonaute (Ago)-microRNA (miRNA)、 Ago-messenger RNA (mRNA)の直接の結合を検証し、発生を制御しているmiRNAとそのターゲット、そしてmiRNAのターゲット決定に関する新たな分子機構を明らかにしました。幹細胞においても多くのmiRNAやRNA結合タンパク質が細胞内のRNAを制御することにより、幹細胞の性質を維持するための未分化維持機構などに働いていることが報告されています。しかしながら、in vivoで直接のタンパク質-RNA結合を知ることはこれまで難しいことであったため、先生のHITS-CLIPという手法やmiRNAの新たなターゲット制御分子機構の知識はGCOEプログラムのテーマに合致するとともに、我々にとって大変有用な知識であると考えられました。
先生に招待のメールを送ると、快く招待を受けてくださり、2日にわたるセミナーのプログラム作成が始まりました。プログラムを作るに際し、発表者の選定など、時間のない中、実行委員の先生方の温かいご指導の下、プログラムが決定し、先生の来日を迎えました。先生の第一印象は、写真でしか見たことがなかったため、背が高いというものでしたが、話しをしてみて端々から非常に丁寧な方だという印象も受けました。そのあとホテルまで御送りし、翌日のセミナー初日を無事に迎えることができました。
初日は、3研究室訪問と先生の講演が行われました。研究室訪問では、先生をはじめ先生のラボメンバーの方との活発な議論ができ、非常に満足のいくものでした。先生の発表も多くの方に参加いただき、神経発生におけるRNAのネットワーク制御メカニズムについて、非常に興味深い講演と活発な質疑応答が行われ、大成功に終わったのではないかと思っております。2日目には慶應の若手研究者の発表が行われ、先生には非常に建設的な意見をもらうことができ、私も発表者の一人として大変貴重な体験をさせていただくことができました。
これを機会に先生の研究室との共同研究などの発展があれば、うれしく思い、今後とも連絡を取り合っていきたいと思っています。

同行していただいた方々:
Juyoung Ham
MS/PhD Program Student
Graduate School, Department of Health Sciences and Technology
Samsung Advanced Institute for Health & Technology (SAIHST),
Sungkyunkwan University (SKKU)

Hye-Sook Lee
Research Scientist
Samsung Biomedical Research Institute (SBRI),
Samsung Medical Center (SMC)
Samsung Advanced Institute for Health & Technology (SAIHST),
Sungkyunkwan University (SKKU)

Dong Ha Lee
Post-doctoral Fellow
Samsung Biomedical Research Institute (SBRI),
Samsung Medical Center (SMC)
Samsung Advanced Institute for Health & Technology (SAIHST), Sungkyunkwan University (SKKU)

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