緒方　晴彦Haruhiko Ogata

内視鏡センター
教授

学位

博士（医学）

主な研究領域

消化管免疫学
炎症性腸疾患の病態解明・新規治療法の開発
下部消化管疾患の内視鏡診断・治療

略歴

1983年 慶應義塾大学医学部卒業、医学部内科入局
1985年 慶應義塾大学医学部助手
1993年 米国ハーバード大学医学部留学（1997年3月まで）
1997年 慶應義塾大学医学部内科助手（消化器内科）
2000年 慶應義塾大学医学部内視鏡センター助手
2004年 慶應義塾大学医学部内視鏡センター講師
2007年 慶應義塾大学医学部内視鏡センターセンター長
2009年 慶應義塾大学医学部内視鏡センター教授

研究内容

当部門では、内視鏡を使用した臨床研究、特に、企業と連携を取り、新規デバイス（小腸内視鏡、カプセル内視鏡、超拡大内視鏡）を使用した臨床研究を精力的に行っている。

○小腸内視鏡、カプセル内視鏡
　本邦に小腸カプセル内視鏡が導入された当初から、カプセル内視鏡を使用した臨床研究を行っている。腎不全患者、低用量アスピリン患者に対する小腸カプセル内視鏡を使用した調査研究、カプセル内視鏡ソフトウェアの多施設共同研究（図1）を行っている。
　また、新規小腸バルーン内視鏡の有効性の検討も行っている。オリンパス社によって開発された胃カプセル内視鏡（図２）も、欧州における臨床研究の段階から参加しており、本邦における探索治験にも参加している。
このように、開発初期から、内視鏡機器の開発、臨床研究に携わることができる。

○超拡大内視鏡
　これまで450倍までの超拡大観察が可能な内視鏡（エンドサイトスコープ（図３））を使用し、アメーバ腸炎のアメーバ虫体を直接観察し、迅速診断する方法や、潰瘍性大腸炎患者の炎症の程度を、超拡大内視鏡で分類する試みをおこなってきた。
　このように、炎症性疾患に対し、超拡大内視鏡を使用し、生体内における細胞レベルの炎症の評価を行ってきた。基礎系教室とも連携を取っており、病理標本との対比などの際には、アドバイスを受けながら研究を行っている。
　今後、超拡大観察が可能な、共焦点レーザー内視鏡を使用した臨床研究を検討している。

図１　カプセル内視鏡を使用した研究（小腸）

図２　カプセル内視鏡を使用した研究（胃）

図３　エンサイドスコープ（超拡大内視鏡）

代表論文

  1. Usui S, Hosoe N, Matsuoka K, Kobayashi T, Nakano M, Naganuma M, Ishibashi Y, Kimura K, Yoneno K, Kashiwagi K, Hisamatsu T, Inoue N, Serizawa H, Hibi T, Ogata H, Kanai T. Modified bowel preparation regimen for use in second-generation colon capsule endoscopy in patients with ulcerative colitis. Dig Endosc. 2014 Sep;26(5):665-72.
  2. Hosoe N, Matsuoka K, Naganuma M, Ida Y, Ishibashi Y, Kimura K, Yoneno K, Usui S, Kashiwagi K, Hisamatsu T, Inoue N, Kanai T, Imaeda H, Ogata H, Hibi T. Applicability of second-generation colon capsule endoscope to ulcerative colitis: A clinical feasibility study. J Gastroenterol Hepatol. 2013 Jul;28(7):1174-9.
  3. Hosoe N, Nakashita M, Imaeda H, Sujino T, Bessho R, Ichikawa R, Inoue N, Kanai T, Hibi T, Ogata H. Comparison of patient acceptance of sodium phosphate versus polyethylene glycol plus sodium picosulfate for colon cleansing in Japanese. J Gastroenterol Hepatol. 2012 Oct;27(10):1617-22.
  4. Rey JF, Ogata H, Hosoe N, Ohtsuka K, Ogata N, Ikeda K, Aihara H, Pangtay I, Hibi T, Kudo SE, Tajiri H. Blinded nonrandomized comparative study of gastric examination with a magnetically guided capsule endoscope and standard videoendoscope. Gastrointest Endosc. 2012 Feb;75(2):373-81.
  5. Bessho R, Kanai T, Hosoe N, Kobayashi T, Takayama T, Inoue N, Mukai M, Ogata H, Hibi T. Correlation between endocytoscopy and conventional histopathology in microstructural features of ulcerative colitis. J Gastroenterol. 2011 Oct;46(10):1197-202.

論文指導資格の有無

修士、博士