学位
医学博士
主な研究領域
放射線治療、放射線生物、食道癌、頭頸部癌、乳癌、前立腺癌
略歴
| 1983年3月 | 慶應義塾大学医学部卒業 |
|---|---|
| 1983年5月 | 慶應義塾大学病院研修医 |
| 1985年4月 | 慶應義塾大学助手（専修医）（医学部放射線科学） |
| 1986年4月 | 国立東京第二病院(独立行政法人国立病院機構東京医療センター)出向 |
| 1988年4月 | 慶應義塾大学助手（医学部放射線科学） |
| 1990年10月 | 米国アルゴンヌ国立研究所・シカゴ大学に留学 |
| 1993年4月 | 慶應義塾大学助手（医学部放射線科学） |
| 1996年9月 | 慶應義塾大学専任講師（医学部放射線科学） |
| 2006年4月 | 慶應義塾大学助（准）教授（医学部放射線科学） |
| 2009年4月 | 慶應義塾大学教授（医学部放射線科学） |
受賞・特許
| 1995年 | 第１回御園生賞(放射線影響学会)度 |
|---|---|
| 2005年 | 日本医学放射線学会優秀論文賞度 |
| 2006年 | 日本放射線腫瘍学会優秀発表賞度 |
| 2007年 | 日本放射線腫瘍学会ポスター発表学会賞（金賞）度 |
| 2008年 | 日本医学放射線学会電子ポスター賞 (Bronze Medal) |
研究内容
放射線治療は、手術、化学療法とともに悪性腫瘍の主要な治療法ですが、多くの悪性腫瘍には集学的治療が行われ、内科・外科はもとより、関連する多くの診療科との協力が極めて重要です。これからの放射線治療は欧米と同様、(1)化学放射線療法の適応拡大 (2)高精度放射線治療(強度変調放射線治療(IMRT), 定位的放射線治療(SRT/SRS), 重粒子線治療(陽子線・炭素線)) (3)腔内・組織内照射 (4)分子標的放射線治療、が中心になると考えられます。多くの悪性腫瘍に対する化学放射線療法の遂行、前立腺癌、頭頚部癌に対するIMRT、子宮頚癌・前立腺癌に対する小線源治療、さらにリンパ腫に対するブリツモマブ、骨転移に対するストロンチウムの導入に力をいれ、全ての悪性腫瘍に対する新たな治療法に関する研究を進めております。放射線治療の分野では、放射線物理学・生物学という基礎的学問も重要と認識しております。放射線の生体に対する影響に関する研究には長い歴史がありますが、実験結果と実際のヒトの反応には違いがあり、ヒトの悪性腫瘍や正常組織に対する放射線の作用機序や治療効果への影響は、ほとんど解明されておりません。現段階では依然、経験則に基づいて治療を行っている状態で、基礎的研究結果とは大きな隔たりがあります。放射線が患者さんの悪性腫瘍に効果があるかどうか、あるいはどの程度の副作用が出るかは、実際に治療をしてみないと判らない、という状況には変化がありません。この現状からの脱皮と飛躍的な成果を求めるため、独創的な基礎研究が必要であると考えています。今後も悪性腫瘍の集学的治療による成績改善と副作用低減をめざして、基礎医学教室との共同研究を積極的に行い、また、治療装置や治療法の技術的改善のために、機器およびその管理情報技術者との交流を深め、放射線と手術や化学療法との併用に関して、患者さんに最良の医療を提供できる"腫瘍センター"の一員として、基礎研究・臨床研究を担ってゆきたいと考えております。また学生や若手医師に対する教育にも関心があり、4年生の自主学習学生を7年間受け入れて指導し、その成果を学生に関連学会で発表してもらい、いくつかの学会賞を受賞し、また6年生のポリクリでアドバンスな形でのOSCEを開始して5年となり、それらの学生への教育成果に関する研究も行って、慶應の医学教育のさらなる推進に寄与できればと思っています。
中咽頭癌に対する強度変調放射線治療：口腔・耳下腺・脊髄の照射を回避
放射線照射による染色体異常：FISH法による検討
代表論文
- Liu C, Kawata T, Shigematsu N, Cucunotta F, George K, Saito M, Uno T, Isobe,K, Ito H: A comparison of chromosome repair kinetics inG0 and G1 reveals that enhanced repair fidelity under noncycling conditions accounts for increased potentially lethal damage repair. Rad Res 174:566-573, 2010
- Takeda A, Ohashi T, Kunieda E, Enomoto T, Sanuki N, Takeda T, Shigematsu N: Early graphical appearance of radiation pneumonitis correlates with the severity of radiation pneumonitis after stereotactic body radiotherapy (SBRT）in patients with lung tumors. Int J Radiat Oncol Biol Phys 77:685-690, 2010.
- Takeda A, Sanuki N, Kunieda E, Ohashi T, Oku Y, Takeda T, Shigematsu N, Kubo A: Stereotactic body radiotherapy for primary lung cancer at a dose of 50 Gy total in five fractions to the periphery of the planning target volume calculated using a superposition algorithm. Int J Radiat Oncol Biol Phys 73:442-448, 2009.
- Ohashi T, Takeda A, Shigematsu N, Fukada J, Sanuki N, Amemiya A, Kubo A: Dose distribution analysis of axillary lymph nodes for three-dimensional conformal radiotherapy with a field-in-field technique for breast cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 73:80-87, 2009.
- Sanuki-Fujimoto N, Takeda A, Amemiya A, Ofuchi T, Ono M, Yamagami R, Hatayama J, Kunieda E, Shigematsu N: Pattern of tumor recurrence in initially nonmetastatic breast cancer patients - Distribution and frequency of metastases at unusual sites. Cancer 113:677-682, 2008.
論文指導資格の有無
修士、博士
