サイトカインはJAK/STATl経路とRas/ERK経路を用いて細胞内へシグナルを伝達する。我々は免疫反応や炎症反応を終息させ恒常性を保つのに必要な負のシグナル制御機構の解明に取り組み、シグナル停止に関わる重要な遺伝子として、1997年にCIS/SOCSファミリーを、2001年にSpred/Sproutyファミリーを発見した。さらにこれらの分子の抑制の分子機構の解明とその破綻による病理や疾患との関係を明らかにした。またSpredやSproutyは好酸球の産生調節、神経やリンパ管の適切な分枝やネットワーク形成に必要であることも明らかにした。さらに2007年にSpred-1がヒト神経繊維腫症の原因遺伝子のひとつであることを突き止めた。