6月10日に,信濃町キャンパス北里講堂において第85回北里記念式が行われました。
医学部ならびに三四会(医学部同窓会)では、初代医学部長・病院長である北里柴三郎博士の6月13日のご命日に際し、その偉業を長く記念すべく、北里記念式を行っています。
北里柴三郎博士は明治25年に福澤先生の援助により芝公園に伝染病研究所を創設しました。福澤先生の志に報いるため、初代医学部長として就任し,現在の医学部および大学病院の礎を築きました。
記念式では、清家篤塾長、岡野栄之医学部長、武田純三三四会長、北里家代表の北里一郎氏の挨拶に続き、三四会賞(北里賞・北島賞)の授賞式が行われました。
また、学校法人北里研究所から、藤井清孝理事長はじめ多くのご来賓のご臨席を賜りました。
岡野医学部長の挨拶では、北里柴三郎の告別式において、第二代医学部長北島多一博士が門弟代表として述べた弔辞「学理の秘境を開き、世界医学の進歩に寄興し人類福祉を増進すること」「先生不屈不墝の精神を持し志す所必ず貫徹せずんば止まず」などが紹介され、受賞者を激励するとともに、基礎・臨床一体の精神のもと、今後も医学および教育の発展に尽力していく決意が述べられました。
三四会による北里賞は、北里柴三郎博士の偉業を記念して、昭和26年に始まりました。昭和33年からは第二代医学部長北島多一博士を記念した北島賞も加わりました。
北里賞(基礎研究、および臨床への発展研究における優れた業績に対して授与される)、北島賞(臨床医学、および臨床研究における優れた業績に対して授与される)は、医学部における権威ある学術賞であり、国際的にも評価される業績が選ばれています。
今年度の北里賞、北島賞の受賞者は下記のとおりです。授賞式後には、受賞者による講演が行われました。参加者は、最先端の医学研究成果の発表に熱心に耳を傾けていました。
【受賞者講演】
北里賞 「幹細胞を用いた循環器疾患治療方法の開発」
湯浅 慎介(慶應義塾大学医学部内科学(循環器) 専任講師)
北里賞 「網膜の発生と病態生理における低酸素応答の役割」
栗原 俊英(慶應義塾大学医学部眼科学 特任講師)
北島賞 「泌尿器腹腔鏡手術における新規治療の確立と普及」
宮嶋 哲 (慶應義塾大学医学部泌尿器科学 准教授)